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江川卓氏 来季ロッテ監督浮上の裏

 読売系列のスポーツ紙が「ロッテ来季監督に江川卓氏」と報道して以来、久々に注目を集めている元祖・怪物投手の江川卓氏(54)の去就。「空白の一日」事件を起こしてまで入団した巨人の監督ではなく、リーグも違うロッテだけに江川氏本人は複雑な心境のようだが、内幕はもっとシビアだ。読売側の江川氏追放情報、さらにロッテサイドでの江川氏ダミー説がささやかれているからだ。

 「報知が書いたんやろ。報知は江川を監督にしたいということやろ」。楽天・野村克也監督は、今回のロッテ・江川監督報道をこう解説しているという。日本テレビの野球解説者、レギュラー番組「SUPERうるぐす」を持っている江川氏だけに、読売グループの意向があっての報道と裏を読んでいるのだ。
 野村監督の解説はマト外れではないだろう。かつては有力な巨人監督候補の江川氏だったが、現在は過去の人になっている。年下の原辰徳監督(50)が昨年リーグ連覇を果たし、今年は開幕前のWBCで日本代表を連覇させ、世界一監督になっている。
 しかも、ペナントレースでもリーグ3連覇へ首位を快走。V9以来のリーグ3連覇を達成して、今季悲願の7年ぶりの日本一奪回に成功すれば、原政権がさらに長期化するのは間違いない。江川氏の出番は遠のくだけで巨人監督はかなわぬ夢に終わるだろう。

 「スポーツ報知の『来季ロッテ・江川監督』は、江川に対して、他球団からいい話があれば、監督を引き受けろという、読売グループ首脳の勧告だろう」という巨人OBがいる。いつまでも巨人監督を夢見ていても無理だという肩たたき説だ。確かに一理ある。テレビ局関係者がフォローする。
 「江川の盟友の掛布が税金滞納騒動などを理由に大阪の読売テレビから首切りされたが、江川の『うるぐす』降板説も根強くウワサされている。以前のように、視聴率の取れる男としての存在価値はないのが現実だ。となれば、他球団のユニホームを着てもらうのが一番だろう。今度の報道であらためて江川の存在がクローズアップされたから、ロッテ以外の球団からのオファーが出てくることもあるだろう。TBSが横浜球団をマルハから買収した直後には、ファンに強烈アピールする仰天案として、横浜・江川監督を真剣に検討したこともあるからね」と。
 しかし、今回の来季ロッテ監督情報を否定しなかったロッテ側には、江川氏をダミーにする思惑があるという。事情通の球界関係者がこう断言する。
 「バレンタイン体制に8億円もの大金がかかるから、一掃しようとしているロッテ首脳が、招へいに大金がかかる江川監督を本気で考えているワケがない。いきなり西村ヘッドコーチを昇格させたら、金をかけたくないのが見え見えだ。だから、江川というネームバリューのある超大物を候補の1人に挙げたが、断られたので、西村昇格というシナリオだろう」
 「まだ何も話はない。名前が挙がるのは光栄だが、巨人監督以外考えたことがないから」と困惑を隠せない江川氏だが、言ってみれば、ピエロ役を演じさせられているのだ。読売側からは体のいい追い出し。ロッテからはダミー役。これではその昔、球界風見鶏と呼ばれたこともある江川氏も浮かばれないだろう。
 「今はメジャーの影響もあって、先発で100球投げれば“任務完了”と胸を張ってリリーフ投手と交代できる。僕が現役のころは100球で降板すると『江川は100球肩』とマスコミに散々たたかれたというのに…。生まれたのが早過ぎたよね。今なら大威張りなのにね」
 こう語ったことのある江川氏だが、選手としてだけでなく、監督としても時代にマッチしない不運な星の下に生まれたというしかない。

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