『白い巨塔』は2013年に亡くなった山崎豊子さんによる小説が原作である。大学の医学部を舞台に、教授選挙をめぐる権力争い、医療ミスといった社会派のテーマが組み込まれた作品であり、これまでにも何度も映像化されている。
『白い巨塔』が最初に映像化されたのは1966年の映画化である。主演は俳優の田宮二郎さん(1978年没)であった。映画が好評を博したのか、その後、1967年にはNET(現在のテレビ朝日系)で、佐藤慶主演によってドラマ化された。さらに、1978年には再び田宮さん主演によってフジテレビ系でドラマ化されている。原作には『白い巨塔』『続・白い巨塔』の2作があり、1978年版は双方の原作が生かされた完全版というべきものだ。これは映画に主演した田宮さんたっての希望で実現したものだ。
そして、1990年には村上弘明主演のスペシャルドラマが2回にわたってテレビ朝日系で放送されている。2003年にはふたたびフジテレビ系で放送された。財前役は唐沢寿明、財前と対立する里見脩二役は江口洋介が好演した。2007年にはお隣の韓国でもキム・ミョンミン主演によってドラマ化されている。
2019年度版はスペシャルドラマとして全5回にわたって放送される。シナリオには現代の医療問題なども組み込まれるものと見られる。ネット上では「岡田、もともといい役者だったけどさらに良くなるんでは」「パパになった岡田准一の活躍を見たい」といった声が聞こえる。名作の誕生に期待したい。