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小沢一郎・共産党「野党連合」が担ぎ上げる反安倍の神輿・古舘伊知郎(2)

 ところが、この状況が一変したのは昨年夏から秋にかけての安保法案成立前後からだ。
 民主党中堅議員がこう言う。
 「野党の中でも徹底した独自路線で我が道を行く共産党が、安保法案廃棄のために現実路線に徹し、他の野党とも共闘して国民連合政府を樹立させると宣言した。今までは共産党が候補者を擁立して、その分の票が流れ、結果、自民党と野党候補が競った場合、自民党候補を有利にして当選させていたのです。しかし今後、共産党候補が立候補せず野党統一候補となれば、競り合う選挙区では与党より野党候補が有利となるわけです」

 共産党の志位和夫委員長が、統一候補という現実路線に大きく踏み出した最大のきっかけは、小沢氏との共闘の意思確認だったという。
 昨年8月、小沢氏の地元の岩手県で、小沢氏の右腕と言われる達増拓也知事の3選目に向けての知事選が行われた。この時、野党の民主、維新、社民、共産、生活の党と山本太郎となかまたちの5党が揃い踏み共闘を実現させた。この動きは、自民党が秘密兵器として擁立しようとした平野達男元復興大臣を立候補断念に追い込み、達増知事の無投票当選を呼んだのだ。
 「5党の連携により、事前世論調査で自公擁立の平野に圧勝していたため、自民は候補者擁立を断念せざるを得なかった。一方、この選挙で小沢氏と志位氏は急接近し、以後は密談を重ね、ついに国民連合政権構想まで語り合う仲にまで発展したといわれている。小沢氏は、共産党が政権に入らない閣外協力ならば国民連合政権は誕生できると豪語したと伝えられています」(小沢氏シンパ)

 しかし、野党連合候補が全国的に展開できるかどうかは、いまだに微妙だ。
 「連合候補擁立への最大のネックとなっているのは、民主党内の前原氏や細野氏など、どちらかといえば自民党議員より右派の存在。加えて、民主党内の共産党と相いれない各組合組織の支援議員で、これらが猛反対している。そのあたりを踏まえて、枝野幸男民主党幹事長は共産党をこう牽制しているのです。『統一候補を立てないところでは、共産党は自党候補を降ろしてもらう。だが民主党候補への積極的応援はいらない』。これは、自党のことしか考えない一方的な発言。こうした声に共産党がどれだけ譲歩できるか。その調整が最大の課題です」(民主党議員)

 だが、ここにきてその難調整を打ち破る新たな手法が浮上しているのだ。
 「そのきっかけが、古舘の出馬への担ぎ上げなのです。古舘新党的なものが誕生すれば、野党連合に弾みをつかせる。そして民主、共産の直接連携を嫌がる流れには市民連合組織が間に立ち、野党統一候補を擁立する。この市民連合組織を全国の選挙区でどこまで作り上げられるかが勝負となる」(選挙アナリスト)

 昨年12月24日、『報道ステーション』の降板発表会見で「2年前から考えていた。急に心境が変わったことではない」と語っていた古舘だが、一方で「ものすごく不自由な12年間でした。言ってはいけないこと、いいこと、ものすごい制約があった」と心情を吐露している。
 「かつては反自民を標榜していたテレ朝も、今となっては安倍政権に完全屈服の状態で、安倍首相とテレ朝の早河洋会長も昵懇の間柄。そんな中、反原発、反安保を訴える古舘が慕っていた元経産官僚の古賀茂明氏が、番組出演中に“不規則発言”をしたことによりトップダウンで降板が決定してしまった。内心穏やかではない古舘に野党連合が目を付けないはずがありません」(同)

 加えて、市民連合的役割を一気に担うのは、学生グループ「SEALDs」や、山口二郎法政大学教授ら市民団体が昨年暮れに発足させた「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」だ。
 「学者や学生、文化人グループなどが反安保で結束して市民連合を結成、そのグループが呼び掛けて統一候補をお願いする方式です」(全国紙記者)

 打倒安倍政権に向けてのうねりは本物となるのか。

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