▼6月5日〜10日 オリックス成績
【対阪神 甲子園球場】
6月5日
○アルバース 3-2 メッセンジャー●
6月6日
雨天中止
6月7日
●金子千尋 1-2 秋山拓巳○
【対東京ヤクルト 神宮球場】
6月8日
○西勇輝 3-0 ハフ●
6月9日
●ディクソン 3-7 カラシティー(先発は原樹理)○
6月10日
●田嶋大樹 5-9 小川泰弘○
※59試合29勝29敗1分。首位・埼玉西武とは6ゲーム差の4位。交流戦は11試合6勝5敗。
先週は、アルバースが順当に7勝目をあげ、西に久々の勝ち星がついた。金子は好投を見せていただけに残念。ディクソンは初回に6失点の大炎上でKO。先発ローテから再び外されることになった。アルバースに続く勝ち頭の田嶋は、慣れない雨の神宮のマウンドが合わなかったか、珍しく大量失点。5勝から足踏みが続いている状態だ。ただ、現在のオリックスは、7回までに最大でも3点差あれば、黒木優太、山本由伸、増井浩俊の3人が相手チームにとって大きな壁となるので、勝てる確率は高い。先週も5日の甲子園と、8日の神宮は継投が成功している。また、ディクソンの後を受け2回から緊急登板した山崎福也も毎回ランナーを出しながらも4回を無失点に抑え、ディクソンに代わる新たなローテ候補の筆頭としてアピールした。試合前に「そろそろ投げたいんですよ。でも僕が投げないということは、先発が崩れてないことですから」と笑っていた福也だが、まさかその日にこんなチャンスが巡ってくるとは思わなかったことだろう。
野手では、一軍に帯同はしているものの、甲子園の試合中、右膝に違和感を感じたロメロが離脱中。復調の兆しが見えていただけに、チームにとっては痛い。再昇格後は復調したかに思われたマレーロも安定さに欠ける状況だ。そんな中、吉田正尚は交流戦打率.356と絶好調。得点圏打率がもう少し上がれば申し分ない。また、「状態はすごくいい」という安達了一も交流戦では打率.300と好調。本来のバッティングセンスで、セ・リーグの投手陣から粘りのある打席を見せている。
交流戦終盤に向けて注目したいのは、交流戦とともに一軍デビューしたルーキーの西村凌と、同じくルーキーで福良監督から「野球を知っている」と評価されている福田周平だ。捕手登録の西村だが、俊足好打の打撃を生かすため社会人時代から外野手での起用が多く、一軍では捕手練習にも参加しているが、センターを中心に外野手として起用。ここまで打率.261(23-6)、1本塁打、3打点、2盗塁。得点圏打率は.500の成績を残している。スタメン出場も6試合と福良監督の期待も高い。チームメイトでは山岡泰輔、若月健矢、園部聡と同い年とまだ若いだけに、今後が楽しみな選手である。山崎福也と明治大学時代の同級生でチームメイトだった福田は、春季キャンプから期待されていた逸材。公式戦が開幕してから、なかなか初ヒットが出なかったが、「僕のバッティングはタイミングです」と話しているように、打席の中で粘りながらタイミングを合わせていくバッティングは、相手チームのバッテリーを嫌がらせている。交流戦では2番の起用が目立つが規定打席に到達しており、打率は.276(29-8)、2盗塁。今シーズンの出塁率は.312と悪くない。西野真弘同様、ヘッドスライディングを見せるなど普段はクールながら、試合中はアツイプレーを連発。このプレイスタイルにイケメンであることも相まって、グッズもうなぎ登りで売れているという。
昨年の交流戦は武田健吾が最終戦まで首位打者争いを見せるなど、交流戦男とブレイクし、それをキッカケにキャリアハイの成績を残しただけに、今年は西村と福田に期待したいところ。ここに復帰間近と言われている宗佑磨が帰ってくれば、さらに競争力が増してチームが活性化するだけに、後半戦に向かってチームが躍進するためにも若い力の台頭を温かい目で見守っていきたい。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ