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インドネシアで終身刑が下った日本人覚せい剤密輸裁判の行方

 インドネシア・スマトラ島北部にあるパダンの地方裁判所は、5月20日、麻薬密輸容疑者で愛知県半田市出身の日本人、川田大被告(73)に対し、終身刑(求刑禁固16年と罰金約920万円)を言い渡した。
 「インドネシアは昨年11月の新政権誕生以来、麻薬犯には厳罰で臨んでいる。川田被告は日本人として初の死刑判決の可能性もあったが、終身刑となった。しかし、川田被告は判決を不服として上訴する方針です」(現地特派記者)

 昨年11月22日朝、中国・マカオからマレーシアのクアラルンプールを経由してパダン空港に到着した川田被告は、空港の荷物検査でカバンの中から覚せい剤2.5キロが発見され、麻薬取締法違反(密輸)の容疑で逮捕された。取り調べや4月14日の初公判でも、川田被告は「覚せい剤のことは一切知らない。はめられただけだ」と一貫して無罪を主張していた。
 川田被告によると、マカオでシェリーと名乗る女性から現金とカバンを預かり、中身を知らないままインドネシアに入国したという。

 一方、麻薬取締局西スマトラ支部の捜査官は「マカオ、マレーシア、インドネシアを結ぶ国際麻薬組織の運び屋である可能性がある」と指摘している。
 「インドネシアでは今年1月に、ブラジル、ベトナム、オランダなど死刑判決を受けた5人の外国人麻薬犯の死刑を執行し、4月末にもオーストラリア人2人、ナイジェリア人4人とブラジル人の7人を死刑に処すなど、麻薬犯罪に厳しい対応をとり、国民の支持を得ています。しかし、各国政府、国連などからの恩赦要求を顧みることなく、オーストラリアやブラジルは大使を召還して抗議するなど、外交問題にまで発展しているのです」(前出・記者)

 川田被告の終身刑の背景には、経済的関係の強い日本の国籍であることや高齢にも配慮した結果ではないかとみられている。世界が注目する結末やいかに。

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