「かなりのピンチであることには間違いない」。先月27日のIWGPヘビー級選手権試合でエース中邑真輔が全日本プロレス武藤に敗れてしまい、至宝流出を許してしまった新日プロだが、黒いカリスマはこの緊急事態を危惧していた。
無理もない。互いに闘魂三銃士として切磋琢磨してきただけに、チャンピオン武藤の手ごわさを誰よりも理解している。しかし、黒いカリスマはかつての盟友がチャンピオンになったことで「IWGPを武藤敬司が獲ってしまったいま、彼とは駆け引きせざるを得なくなった」と腹をくくった。
蝶野といえば、27日の大阪大会の試合後に今後はレジェンドとして本隊のテコ入れに動くことを言明しているが、「まずはベルトを取り戻すことが最優先」との考えをあらためて強調した。
その上で蝶野は「オレの中ではまず前チャンピオンの中邑が取り戻すっていうことが第一だと思ってる」と持論を展開し「現時点ではオレが行くってよりも、中邑とか棚橋とかヤツらの手で取り戻すことだよね。そのために武藤選手の情報だったりオレもヤツらにできるサポートをしていくし」と全面バックアップを約束した。
IWGP奪還に向けて珍しく会社に協力的な姿勢を打ち出す蝶野だが、やはりその言動にはドス黒い陰がチラつく。「ベルト取り戻すのはオレらの使命。でも手段は選ばない。オレとしては逆にこのさき武藤選手にレジェンドとして働きかけすることもあるかもしれないしね」。つまりチャンピオン武藤ごとレジェンドに囲い込むウルトラCもあり得るというのだ。
策士・武藤に黒い策略を張り巡らせる蝶野。黒いカリスマがサングラスの奥の瞳をギラつかせていた。