A:顔がゆがむ原因は、いろいろあります。たとえば、就寝時に必ず同じ側を下にして横向きに寝ているケース。下になっている側の顎は圧迫され、ゆがんでしまいます。
添い寝をして赤ちゃんを寝かせつける母親が、一方の頬を圧迫するのも同様です。頬杖をつく癖で、顎が圧迫されてゆがむこともあります。
●原因を消去法で探ろう
歯科の領域では、歯並びや噛み合わせの異常も、顔がゆがむ原因となります。ご質問の方は、虫歯や抜けた歯を治療せず、放置していないでしょうか。
不正咬合に関しては、歯科で治療を受けたために噛み合わせが悪くなることもあります。また、食事のとき同じ側だけで噛む癖も、顔をゆがませる一因となります。この他、くいしばりや歯ぎしり、ストレスなども一因となります。
このように、顔のゆがみは噛み合わせの異常や上顎骨、下顎骨などの形態、機能の異常が関わっています。さらには、骨盤も関係します。
細かい説明は省きますが、骨盤のゆがみは全身の骨格に影響し、背骨をゆがませます。つまり、顎の骨が関係している首の骨(頸椎)をもゆがませます。
このように原因はさまざまですが、消去法で原因を探るとよいでしょう。
片側でばかり噛む癖はありませんか? 歯ぎしりやくいしばりは? 頬杖の癖はないでしょうか。
●骨盤の調整と口のストレッチ
次に、歯科の領域についてですが、虫歯や抜けた歯を放置していませんか。きちんと治療をしていれば、普通は噛み合わせの異常はないはずです。しかし、歯科の治療を受けて、その後から、なんだか顔にゆがみが出たようなら、歯科で受診して噛み合わせをチェックしてもらいましょう。
それらをクリアしたら、顎のゆがみに骨盤のゆがみが関係しているかもしれません。
私の勤務するクリニックでは、内科のほかに歯科と骨盤調整(ベルビック・セラピー)を行っています。骨盤のゆがみを取ると、顎関節症のゆがみが取れます。
骨盤のゆがみを改善するために自分で行う方法としては、ゴムのバンドを巻いて腰を回す運動があります。
もう一つ。壁に背をつけ、背筋を伸ばして顎を引いて立ち、口を「イーッ」と左右に引く、口のストレッチがお勧めです。
これらを行うだけでも、顔のゆがみを改善する効果はかなり期待できると思います。
山田 晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。