同番組では、企業があの手この手で採用に工夫を凝らしている現状が紹介された。まず注目すべきは、新卒の採用方法だ。これまでは学生が志望企業に合わせて何枚もエントリーシートを書き、面接に進めるかの決定権は企業側が握っていた。しかし今は“逆”だ。求人サイト上に掲載された学生のPRシートを見た企業が、自ら面接オファーをするというシステムに変わりつつある。面接に行くかは学生が決めるため、企業は人材を獲得するために必死だという。
しかし、そんな企業側の努力もむなしく、新卒採用の3人に1人が3年以内に会社を辞める時代。そのため、新卒に限らず転職市場も活発だ。2010年以降、転職率は上昇傾向にあり、中でも15〜24歳の若者が圧倒的に多い(平成29年、総務省統計局調べ)。
転職市場では今“リファーラル採用”という制度が注目されている。社員の知人を紹介してもらい、入社すると社員に報奨金が支払われるシステムだ。すでに働いている人からの紹介のためミスマッチが少なく、優秀な転職潜在層にもアプローチできるため、どの企業も積極的に制度を取り入れているという。
この採用方法についてネット上では、「友達が助けてくれれば、今の職場にしがみつかなくてすむ」「過労死が減りそう」「新卒採用のコストを抑えられて良いのでは?」との前向きな意見が出た。
一方、「友達が多い人はいいけど、友達がいない人はどうすれば」「ツテがない人間には無理」「アラフォー特集の翌週に…就職氷河期世代を精神的に殺しにくる」「人手不足だけど氷河期40代には声がかからない…」と嘆く声も多く見られた。
たしかにリファーラル採用にはリスクもあるだろう。入社後、仮にミスマッチが起きた場合、友人との関係性が悪くなりかねない。また、基本的に即戦力として採用されるケースが多いため、会社が求めるレベルと見合わなければ職場にいづらくなることも考えられる。
こうした見方はあるものの、転職市場において今後リファーラル採用が主流となる可能性は大いにある。さらに、危機感を持つ転職エージェントが新たな戦略を打ち出してくることも考えられるため、転職市場はさらに盛り上がりを見せそうだ。