12月5日の臨時株主総会を経て就任する渡辺新社長。同社発祥の地である大阪本社の社会部部長や編集局長などを経て、昨年取締役になっている。4人いる常務を飛び越えての就任だ。
「朝日独特の左翼の臭いがしないニュートラルで人望も厚い」との評価がある一方、社長候補だった一癖あったり統率力のない常務たちを引き算した結果の人事ともいえる。
11人いるボード(経営陣)のうち、責任をとって辞任したのは、木村社長のほか、池上氏原稿の掲載延期を止められなかった前編集担当、やたらと抗議文を出した広報担当、危機管理担当、そして、一時は次の社長の最有力とされた大阪代表の4人のみ。
今回の事態を踏まえて、朝日新聞は「信頼回復と再生のための社員集会」なるものを立ち上げ、東京、大阪などの4本社で社員の質問や意見を聞いてきた。
その中で「社外からの役員の登用」「全役員の辞任」などの声が上がった。
「しかし、かつて繊維会社の再生に尽力した人のアドバイザー就任だけしか実現しなかった。さらに、社員集会で『すぐにでも辞任したいと、それくらいのつもりです』と発言した飯田真也上席執行委員が、新設の代表取締役会長に就任したのには唖然とした社員が少なくなかった。『飯田さんは激減する部数を何とかできる販売出身者』という擁護論も通用しそうもない。そもそも、従軍慰安婦問題を最初に取り上げたのは、大阪本社社会部。“火を付けた社会部が消しなさい。ワンポイントで渡辺新社長が…”と感じた社員も多い」(朝日新聞社員)
本当に朝日新聞は再生できるのか。