石川遼は8オーバーからのスタートとなった最終日。勝負パンツの赤いズボンでスタートしたが、いきなり1番でボギーを叩いてしまった。同組で回るNo.2ともいえるミケルソンから激励されたのがプレッシャーになったのか。
続いて3、4番のロングショートホールで連続ボギーとし、前途に暗雲が立ち込める11オーバーと後退してしまった。
ところが、これでくじけないのが遼の若武者らしい魅力のあるところ。7番ロングホールに入ると果敢に攻めた。3オン1パットがバーディー。そして、前半最後の9番でも風にもめげずバーディーを奪い返し前半を終えて9オーバー。そして、勝負をかける後半に突入した。
「遼がんばれ」。強風にのってウッズの声が聞こえたのか、遼が3ホールをパーでしのいだ後の15番ロングから弾けた。642ヤードの長いパー5だが、遼は確実に3オンに成功すると、グリーンのラインを読み切り「ナイス・バーディー」(ミケルソン)。
そして、圧巻だったのは16番のミドルホール。遼の打った第3打はピンを目指してまっしぐら。なんとボールは直接カップに吸い込まれた。チップ・イン・バーディーだ。ギャラリーの大歓声が響き渡る。そこにウッズがいるのかと間違えるほどの大騒ぎ。やはり17歳の若武者はスターとしての資質を兼ね備えているといえるだろう。
遂に最終ホールを迎えた。激闘を続けてきた4日間の集大成を見せる時である。第2打をバンカーに入れたが、「自信はあった」と言う通り、鮮やかにボールはピンそば30センチにピタリと寄った。またもや大勢のギャラリーが大歓声をあげる。
結果は8オーバーで終わったが胸を張れ天才少年石川遼。近い内に必ず大きな仕事をするはずだ。
石川遼の話 世界トップクラスの選手と回って、自分のゴルフができた。こういう舞台でプレーし続けたいと思った。