5カ月ぶりとなる頼もしい相棒ファイングレインとの再会。鞍上の幸騎手はその感触をじっくり味わいながら1週前追いにまたがった。何も変わらない背中、そして躍動感。再び、あの時の自信が蘇ってきた。
「道中から引っ張りきれないくらいの手応えだった。追ってからの反応も抜群。落ち着きもあって、いいころの雰囲気と何ら変わりませんよ」。幸は好感触を伝えた。
3月の高松宮記念で悲願のGI制覇を達成した後は放牧に出されてじっくり充電。8月7日に宮城県・山元トレセンから栗東に帰厩した。
「放牧先から乗り込んでいたので、思ったより調整が楽で仕上がりもいい。あとは本番のスプリンターズSでいかにピークの状態に持っていけるか。それを念頭に置いて仕上げていきたい」(影山助手)
いうまでもなく、秋の大目標は次のGI戦だ。主戦・幸は春以上の厳しい戦いを承知しながら、改めてパートナーに対して絶大な信頼を寄せた。
「力をつけている馬もいるし、今後も決して楽な戦いじゃない。でも、自分の馬が一番強いと思っている。もちろん、秋初戦から全力投球でいきますよ」
勢力の入れかわりが激しいスプリント界。追う立場から追われる立場へとかわったファイングレインが、この秋、不動の地位をつかみ取る。