が、ある意味で注目されるのは、異端の調整法で一発を狙うタマモホットプレイだ。
高松宮記念(10着)以来、3カ月ぶりの同馬が放牧先から戻ったのは、わずかレースの2週前。それも、「一度も追い切らず出走させることも考えた」(南井師)と言うのだから、真意を確かめられずにはいられない。
「3歳時に青函Sを快勝したように、力のいる函館の芝はピッタリ。ただ、競馬場に入厩すると極度にイレ込みタイプ。2年前は使うつもりで早めに入れて、ついには追い切りをかけられずに出走を断念したほどだからね。だから今回は秘策を用意した」
その秘策とは牧場(BTC)でみっちり仕上げて入厩10日で出走させるというウルトラCで、結局、追い切りはWコース3F39秒2→12秒0の1本のみだった。
もし、調教班泣かせの臨戦過程で挑む同馬が勝つことがあれば…。トレセンよりも牧場取材が大事な時代が到来したといわざるを得ない。