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アンタレスS(GIII 京都ダ1800m 27日) 本紙・谷口はフィフティーワナーに自信の◎

 運も実力のうち。勝負の世界にはこんな格言もあるだけに、毛頭、戴冠にケチをつけるつもりなどないが、“展開”というものの魔性の怖さを痛感させられた皐月賞直後だけに、ひとつの勝利のファクターに過ぎないと分かっても、このアンタレスSの予想においては、いつもより余計に展開面にウエイトを置いてしまう。

 そんなシチュエーションの中では、メンバーを見渡し、安田隆師がじっくり吟味、「とくに逃げにこだわる馬もいないようだし、有力馬のほとんどが追い込み脚質ですからね」とニヤリ不敵な笑みを浮かべるフィフティーワナーに目を奪われるのも無理はないだろう。
 叩き2走目の仁川Sを定石通りに完勝。「どんな競馬になっても負けない」という絶対なる自信を持って登場した前走のマーチSがよもやの完敗3着。「ショックは相当に大きかった」と師はその胸中を吐露したものの、ふと冷静に敗因を分析すれば、「中山のダートで前半の3Fが36秒5は相当に速いラップ。勝った馬は向正面ではケツにいましたからね。しかも、カイバを全然食べずに当日はマイナス6kg。それに58kgのトップハンデ」と負けるべくして負けた極まりない悪条件。その条件下を勘案すれば、「むしろ、3着ならよく頑張っている方。負けて強しですね」の声も、決して、負け犬の遠吠えには聞こえない。
 「シビアに見れば仁川Sの勝ち時計が平凡だが、上がり自体は速かったし、状態面や能力が2年前のアンタレスS時と変わっているとは思わない。そのアンタレスSは前半36秒2で飛ばしてラスト3Fを36秒1で上がる完ぺきな勝利。今回は地元競馬で体も前回よりはプラス6kg以上で出せる。前走のテツは踏むまいと一応チャレンジャー精神でぶつかりますが、結果を出せる自信はありますよ」
 展開に泣かされたフィフティーワナーが、一人旅の展開で今回は笑う。

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