クイズのテーマは「話題のお弁当箱」。USB端子で温められる弁当箱や、丼形の弁当箱などユニークなものが飛び出しスタジオは大盛りあがり。そのクイズの出題中、ナレーターが「会社に弁当を持ってくる男性のことを最近は『弁当だんし』と呼ぶ」と紹介したところ、太田が急に何かを思いだしたかのように自分のほほに手を当てしゃがれ声で「ん??。べぇんとうだぁんしぃ」と唸りはじめた。出演者も観客もなんのことかさっぱりわからない様子だったが、田中の「立川談志ね」というツッコミが入り、スタジオが大笑い…つまりこれはは『弁当だんし』と『立川談志』をかけたモノマネだったのだ。
太田のモノマネはひとまず置いておくとして、かつて立川談志と太田光には奇妙かつ微笑ましい噂があった。それはこの二人が実は「親子」なのではという噂である。
この噂の発端はある日、談志がとある雑誌のインタビュー中、「爆笑問題の太田ね。あれはオレの隠し子だ」と話した事から広まったもの。もちろんこれは冗談のつもりだったのだが、あろうことかマスコミはこの冗談を真に受けてしまい、爆笑問題の事務所に電話が殺到。さらにはこの騒ぎを耳にした太田の父が妻に向かって「お前、談志とヤってないよな?」と尋ね、あわや熟年離婚! …の危機にまでなったという。
確かに談志の若い頃の写真を見ると、広いおでこといい、たれ目がちの眉といい、大きい口といい、どこか太田光に似ているような気がする。しかも、お互い「不謹慎」なんて言葉をどこかに忘れてきたほどにブラックジョークが大好き。数々の対談をこなし、ふたりだけでラジオ番組を行うなど、その絆はとても深いものがある。それこそ本当の親子なら…と周囲が思うである。
考えてみれば爆笑問題には「師匠」と呼べる存在がいない。一匹オオカミ的な魅力のあるビートたけしにしても弟子入りした芸の師匠はいるし、先輩にはとても礼儀正しかったことで有名だ。一方、爆笑問題は素人番組で芸能界デビュー、太田プロに入ったもののすぐに独立し、自分の事務所を作ってしまったために師匠はおろか先輩もいないのだ。
だからこそ、太田は自分の尊敬する立川談志を師匠以上の親のように思い、かつて落語界の縦社会で大きな苦労をした談志は独特のセンスを持つ一匹オオカミの太田を子どものように可愛がっているのかもしれない。
そう考えると、『雑学王』での微妙な談志のモノマネは最近表舞台に出てこない「親父」への愛に満ちあふれたギャグだったのかもしれない!?