大相撲の剛腕新理事長が本格始動だ。
大麻騒動を受けて8日に北の湖前理事長が引責辞任したことで、後任に就いた武蔵川新理事長。一夜明けたこの日は、両国国技館の日本相撲協会で会見に臨み、不祥事の再発防止と協会の体質改善に向けた施政方針を示した。
新理事長は外国人力士については「入門前に研修期間を設けることなどを考えていかないといけない。(日本の文化や習慣などを)理解させるには1年ぐらいかかる。相撲界のルールにのっとってやれるのか見極めていかないといけない」との見解を示し、「協会員全員を集めて研修会をやりたい」と秋場所後にも講習会を開く意向も明らかにした。
ハワイ出身の武蔵丸親方を横綱に育て上げ、けいこには人一倍厳しいことで知られる新理事長。その意気込みはハンパではないようで「ウミを全部出して巻き返したい。厳しくやっていく」と強い口調で言う。厳格な武蔵川親方が新理事長になったことで、その標的になりかねないのが他でもない朝青龍なのだという。
すでに相撲教習所長の友綱親方は「今までのように思い通りにモンゴルに帰国することはできなくなるはず。その辺りのことも武蔵川理事長は厳しい」と発言。角界関係者からも「仮病サッカー疑惑が持ち上がったときも武蔵川親方が一番手厳しかった。あのとき、ひたすら事態の収束を待つ北の湖前理事長とは対照的に、武蔵川親方はすぐに師匠の高砂親方を厳しく指導しましたから」との声が聞こえてくる。
その言葉通り武蔵川新理事長は、この日の会見で“ワンパク横綱”について「ちゃんとやってもらわないと困る。リラックスしたいなどの理由はあるだろうが、場所後に毎回モンゴルに帰るのはどうか」と苦言を呈した。さらに「(問題を起こせば)直接呼び出すこともある」と朝青龍が再び問題を起こしたときに、厳しい姿勢で臨むことも強調した。
「服装から何からすべて意識させないといけない」と、“ポニーテール写真集”を発売したばかりの朝青龍には耳の痛い言葉も。新理事長の“粛正大号令”は、角界にどんな新風を吹き込むのか。