1勝1敗で敵地に乗り込んだ巨人。この日は1回に先制すると、2回に鈴木尚広の3点本塁打、6回にはアレックス・ラミレスの本塁打で5-0とリードを奪った。
その裏、西武の4番・中村剛也に初ヒットとなる3点本塁打などで4点を返されたが、8回に小笠原道大の本塁打で突き放し、6-4で逃げ切った。
小笠原&ラミレスのアベック弾“不敗神話”を17に伸ばした。試合後、原監督も「主導権を握ることができた。クルーンも安心して見ていられた。ウチの勝ちパターンでしたね」と納得の表情。これで勝ち星先行となった。だが、喜んでばかりもいられない。
きょう5日の先発予定のグライシンガーは西武との相性が最悪。今年の交流戦で2勝を献上。被安打21、本塁打5、失点14と完全に打ち込まれ、まさに鬼門なのだ。
4打数3安打、2本塁打5打点と完全にカモにされている中島裕之からは「向こうが勝手に意識してくれてるから楽ですね。嫌なイメージはないっす。みんな打つと思いますよ」。早期KOを予告されてしまった。
気がかりなことはそれだけでない。中継ぎ陣の負担だ。西村健太朗、越智大祐は全試合に登板。ここまで無失点に抑えてきたが、この日は西村が中村に3点本塁打を許してしまった。中継ぎエースとしてチーム最多の68試合に登板した越智にも「スキがないわけでもない」(渡辺久信監督)と攻略の糸口を見つけ出されてしまったようだ。
1、2点を争う接戦では、継投策が試合のカギを握り、短期決戦では小さなミスが命取りとなる。グライシンガーKO→中継ぎ陣総崩れという負の連鎖が起これば、そのままズルズルということも考えられる。それだけに、この第4戦は原巨人にとって、大きなターニングポイントとなりそうだ。
○西武 “疑惑の判定”に怒り露わ
敗れた西武は審判団に不快感を露わにした。
“疑惑の判定”に泣いた。7回の守備で、1塁のベースカバーに入った投手の小野寺力と鈴木尚広が競り合ったが、判定は際どいタイミングでセーフ。9回裏の攻撃では佐藤友亮の打球が鶴岡一成捕手の前で跳ねフェアに。そのままタッチし、キャッチャーゴロと判定された。渡辺監督は「あれはちょっと寂しいね。明らかに誰が見てもファール。大舞台で球審をやってはいけない。技術がないよ」と苦言を呈した。
西武の小林信次球団社長は「本来なら提訴も辞さない。ああいうジャッジをしてはいけない。ちょっと問題がある」と憤りを露わにした。口頭で日本プロ野球組織(NPB)に抗議したことを明かし、書面で抗議を行うかは5日以降に判断する方針だ。