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福島県須賀川市「悪魔祓い事件」の実態③

●事件発覚の原因は、女同士の嫉妬?

 須賀川の拝み屋だけでなく、その後は栃木や岡山の新興宗教に入信したという江藤幸子。その頃に夫が失踪すると、信仰への傾倒に拍車がかかる。そして、ついには自ら「神」と名乗ってお祓いを供するようになり、不特定多数の人間たちが家に出入りするようになったという。

 被害者の三木護さん(56歳)と和子さん(48歳)は、長女の理恵さん(19歳)、高校生の二女、中学生の三女の一家5人で入信していた。そして、護さん、和子さん、理恵さんの3人が犠牲となった。入信のきっかけは、「よく当たるって評判のお婆さんで、糖尿病を患っていた護さんが江藤のお祓いを受けたところ、治ったことだった。

 溺れる者は藁をも掴むという言葉の通り、信者たちは江藤のもとで救われることを望んでいた。しかし、江藤は神を名乗っておきながら、共犯で逮捕された元自衛官の男(当時21歳)を愛人とし、信者から金を巻き上げていった。太鼓のバチで信者を殺害したのも、愛人の自衛官に色目を使った女性信者への嫉妬がきっかけだったという。

 そんな江藤が築いた「狂気の王国」は、バチで叩かれた信者が抜け出し、入院したことをきっかけとして崩壊へと向かっていく。危機を感じた江藤は、死体を寝かせていた部屋に大量の脱臭剤を置き、信者たちに大量のタバコを吸わせるなどして、近所にバレないように努めたという。それでも、隠し通すことはできずに警察が動き出し、冒頭の通り、悪行は白日の下に晒されたのだった。

 その後の裁判で、江藤は遺体を放置したことについて、「魂は死んでいない、そのまま寝かせていた」と供述。だが、これが裁判官に信じられるはずもなく、彼女には死刑判決が下され、2012年9月に刑が執行された。

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