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打倒、WWE!「新日本プロレスは米国に本格進出します!」木谷オーナーが戦略発表会で断言

 今週は前回に引き続き、5月16日に都内で行われた『新日本プロレス戦略発表会』から、グローバル戦略について書いてみたい。

 新日本プロレスの木谷高明オーナーは、ライブ戦略、デジタル戦略、グローバル戦略と、戦略発表会で3つの基本成長戦略について言及している。

 最後に発表したグローバル戦略では「新日本プロレスはアメリカ進出します!」と高らかに宣言。

 すでにチケットが完売している7月1日、2日のロサンゼルス大会は、2日間のチケットが2時間で、追加分のチケットは2分で完売したことを明らかにした。

 「今回の会場は、けっして小さな会場ではないんですよ。日本で言うと大田区総合体育館くらいのサイズ。自分は、この倍くらいの会場もいけると思ってます」

 木谷オーナーは、約3000人規模の会場(しかも2DAYS)を、アメリカで即日完売させたことに関して、大きな手応えを感じたようだ。

 さらにアメリカ本格進出の一環として、米国現地法人の設立、アメリカでの道場設立を次々と発表。SNSではTwitterグローバルアカウントを開設し、約3万人のフォロワーを獲得している。ストリーミングサイト『新日本プロレスワールド』の海外会員登録数約1万人とともに、新日本プロレスの英語圏進出を後押しするツールになるのは間違いない。

 またIWGPインターコンチネンタル王者、内藤哲也が異を唱えているIWGP USヘビー級王座の新設に関しては「ロサンゼルス大会2日間のトーナメントで初代王者を決めます」と語るに留めていた木谷オーナーだが、内藤哲也の“ご乱心”を知るとTwitterで以下のように語った。

 「新日オーナー木谷の見解。先日の内藤選手によるIWGPインターコンチネンタル王座のベルトへの暴挙、許される物ではない。あのベルトは2012年に10円玉と揶揄されていた物を中邑選手がチャンピオンになったのをきっかけに、新日の更なる飛躍を祈願して新調したもの(ブシロードも費用分担)。私自身も思い入れが有るベルトです。ただ今回の内藤選手の主張にも一理あると思います。IWGP USヘビーのベルトの運営は慎重にお願いしたい。勿論ベルト新設には大賛成です。しかしベルトには目的と存在意義が大切であり権威を作り上げて行かなければなりません。USを名乗るのなら防衛戦は少なくとも70%は米国で開催して欲しいし、日本でやる場合はなるべく米国人同士での試合にして欲しい。だって米国で日本ヘビー級王座を米国人同士で争ってたら可笑しいですよね。とにかく、それぞれのタイトルがしっかり存在意義を持ち、切磋琢磨して獲得を目指すレスラー達の姿に期待します」と持論を展開した。

 木谷オーナーはもともと『ワールドリーグ戦』(国別対抗のリーグ戦)の復活を掲げていただけに、『US』の冠がついたこのベルトと他のベルトとの差別化については、かなりこだわりがあるように見える。

 そして、アメリカ進出するうえで新日本の現状をまとめた。

■強み
「リング上の試合は世界一」
「高い技術と歴史の長さ」
「他にはないオリジナリティがある」

■チャンス
「アメリカでの人気が上昇」
「外国人選手の比率が高い」
「提携先とも良い関係性」
「コードカット/デジタルシフト」

■弱み
「言葉の壁」
「アメリカでの投資実績がない」
「アメリカでの知名度不足」

■脅威
「ライバル団体(WWE)からの引き抜き」
「WWEによるアメリカ市場一社独占」
「グローバリゼーション」

 上記のようにSWOT分析をした上で解説。

 中でも「コードカット/デジタルシフト」に関しては、アメリカのケーブルテレビ事情の変化から、「新日本プロレスの映像ライブラリーをアメリカのケーブルTVに売り込みたい」とコメント。まずは映像を売り込んでいくことで、アメリカでの知名度を上げ興行や収益に繋げていきたい考えを示している。

 またライバル団体としているWWEに関しては「黒字なのはアメリカ、カナダ、イギリスだけだと考えているので、我々にも勝機はある」と語気を強めた。

 アメリカ進出への基本戦略として、まず新日本プロレスの試合をアメリカにそのまま持ちこむことを明言。「きっとアメリカのファンもそれを望んでいる」と述べた。そうすることで、アメリカのファンに新しい体験をしてもらい、さらに「今はデジタルになったら、グローバルになる時代。どこかでスターが生まれれば、一瞬で広まる時代」とアメリカで選手やスターを育成していくことも必要になってくるので、道場を設立する意義について説明。興行形態に関しては、「アメリカに合った興行形態を目指す」と語り、提携団体への選手派遣なども行いながら、「日本風の巡業スタイルも持ち込んでみたい」とプランを明かした。

 戦略発表会でも述べていたが、木谷オーナーのグローバル戦略に関するモチベーションの高さは、昨年1月5日に味わった悔しさにある。あの日の悔しさがバネとなり、新日本のグローバル戦略は“光の速さ”で走り始めたのだ。新日本プロレスには、プロレスは日本が世界に誇れるジャンルのひとつであることを、アメリカの舞台で立証してもらいたい。

(どら増田)
【新日Times vol.69】

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