これだけ天気予報と日々、にらめっこするのは俗にいう昭和58年のゴッパチ豪雪以来、25年ぶりの出来事。関係者、とりわけ、サラブレッドを管理するトレーナーからは「自然現象には勝てないからね」となかば、諦めにも似た悲鳴すら聞かれる始末。
そのシチュエーションを考えれば、昨年の高松宮記念の覇者スズカフェニックスのように、久々のうえ、目標がまだ先にある馬や、レース間隔があいている馬にはシビアな評価をしたい。その一方で、中2、3週で順調にレースを使ってきている馬には大きなアドバンテージがあるとみる。
本命はズバリ、ローレルゲレイロだ。
明らかに距離適性外だったダービー惨敗後はキーンランドC、富士S、マイルCSと、ふたケタ着順が続き、夢を追った代償の大きさに昆師も「早熟だったのか」と諦めかけたが、捲土重来、チークピーシーズを着け、ハナにこだわるレースをした暮れの阪神Cで糸口を見つけ、前走の東京新聞杯では悲願の初重賞制覇を遂げるとともに完全復活を高らかに宣言した。
中間も順調そのもので、先週、今週と坂路で抜群の追い切りを披露し、「冬場がいいのか、目に見えて良くなってきたし、前走以上の状態」と昆師。さらに、今回は持ち前の非凡なスピードをいかんなく発揮できる阪神開幕週と条件がそろった。師が「前走は普通の逃げ馬ならバッタリ止まってもおかしくない展開で勝ったし、マイル1分32秒8というのも優秀。開幕週は望むところだが、道悪になっても平気な馬。遠回りした分、これからのレースは全部勝つつもりで臨むよ」と“舌口調”なのも無理はない。
今週は自慢の逃げ脚でローレルゲレイロが関西圏の春一番になる。