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LEDの弱点露呈 見えない信号機続出

 20世紀中にはできないといわれたほどの“世紀の大発明”LED(発光ダイオード)にも弱点があった。積雪地帯では、信号機が見えなくなるのだ。LED信号機が初めて登場したのは1994年のこと。もう20年にもなる。導入時からわかりそうなものだが…。
 「LEDはレンズ1個当たりの消費電力が15ワット。電球に比べて5分の1程度とバツグンの省エネ性や長寿命などメリットが多い。ところが逆に熱を出さないから信号機に積もった雪を溶かさないのです。それはわかっていたのですが、そのこと以上に“西日問題”を解決することが重要だったのです」(信号機メーカー)

 これは“擬似点灯”と呼ばれ、西日が信号機に直接差し込むと、赤か黄色か青かがわからなくなる現象のことだ。信号機メーカーにとっては80年にわたる難題だったのだが、これを一発で解決してくれたのが無色のLEDだった。ところが積雪地帯では省エネがアダとなり、信号機がほぼ真っ白な状態になる。これはドライバーにとっては怖い。

 交通事故を未然に防ぐため青森県などでは、特に判別がつかない日中、県下の各警察署員が5メートルほどのブラシを持って雪を叩き落とすという人海戦術に精を出している。しかし、約8000カ所もあるLED信号機の除雪作業を完遂するのは限界がある。
 「ヒーター付きでは省エネ効果が消えてしまうし、撥水塗料などではマメなメンテナンスが必要になり、いずれもせっかくLEDを導入した意味がなくなります。雪が着かないよう計算されたカバーを取る付けることで解決しようと取り組んでいます」(同)

 交通量の多い大都市圏でも、昨今の豪雪は同様の問題を引き起こす可能性がある。美しい真っ白な銀世界などと言っていられない。

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