「前走はさすがに長期休養明けがこたえた感じだね。でも、一度使って状態はすごく良くなった。今度、負けたら言い訳できないと思っている」
津曲助手が語るように藤沢和厩舎の良血馬にとって負けられない一戦が訪れた。
マチカネキララはオープン入り後、5戦して1番人気が実に4度。しかし、その期待に応えたのは昨年のエイプリルS(1着)のみでそれ以外は連を外す状況が続く。前走の巴賞(4着)でもノドの手術明け、太め残りにもかかわらず、1番人気に押し出された。
「前走は期待に応えることができなかったけど、ジョッキーがうまく乗ってくれたおかげでレース後のダメージはまったくなかった。中1週だけど、体が絞れて、むしろ状態は上向いてきた」
今朝芝コースで終い重点。道中は馬任せながら大きなフットワークで、軽快な動き。余裕の手応えで直線へと向かうと鞍上の押し出しに力強く伸びた。格下馬が相手だったが、余力残しで半馬身差先着を果たした。10kg増でいくらか立派に映った馬体も、中1週のローテーションでほどよく絞れた印象。走りは確実に前走よりシャープになっている。
今回は体調面での上積みに加えて、ハンデも56kgで止まった。メンバー的にも宝塚記念で4着したアドマイヤフジから1.5kgもらったとあれば、「言い訳できない」組み合わせだ。
「ノドの悪かった昨年の札幌記念でも勝ち馬のアドマイヤムーンとコンマ3秒差の3着に頑張っているほど。GIII(JpnIII)のこのメンバー相手なら負けられない気持ちだね」
もう期待は裏切らない。藤沢和厩舎のブランド馬が背水の陣で初重賞制覇へと挑む。