報道によると、今回のGM起用は小川前監督がドラフト戦略や助っ人補強などチーム作りに取り組むシニアディレクター(SD)を、2014年から2017年までヤクルトで務めていたことが理由であるとのこと。また、ヤクルトがGM職を設けるのは球団史上初ということも伝えられている。
小川前監督が転身するGMは、現在西武(渡辺久信GM)、ソフトバンク(三笠杉彦取締役GM球団統括本部長)、楽天(石井一久GM)、日本ハム(吉村浩取締役チーム統括本部長兼GM)、オリックス(福良淳一GM兼チーム編成部長)の5球団が役職として設置している。
このうち、西武・渡辺GMは2年間のSD生活を経て今年1月に、オリックス・福良GMは監督退任直後に就任した育成統括GMを経て、今年6月にそれぞれ現在の役職に就いている。こうした他球団の事例を考えると、今回の人事にも不思議な点はないように思われる。
しかし、今回の一件に対しネット上のヤクルトファンは「低迷を招いた張本人なのに即GM転身とかファンをなめすぎ」、「こんな訳の分からない人事をしていると来年も最下位になるぞ」、「球団フロントはなぜ小川をGMに起用したのかファンに説明しろ」と球団の人事に反発。
同時に、「成績不振の責任取って監督辞めた人がGMに就任するなんてあり得ない」、「小川さんのことは嫌いじゃないけど、さすがにこれは恥ずかしくないのかと思う」、「宮本ヘッドは潔く退団したのに、なぜ小川は自分だけのうのうと戻ってくるんだ」といった、小川前監督への批判も多数寄せられている。
「今シーズンのヤクルトは5月14日から6月1日まで16連敗を喫したことなどもあり、最終成績は『59勝82敗2分・勝率.418』で借金23の最下位。この成績不振の責任をとる形で、小川前監督と宮本慎也一軍ヘッドコーチがそろって退任となりました。ただ、宮本ヘッドがそのままチームを去った一方で、小川前監督は球団の意向を受け入れGMとして残留。オファーを出した球団フロント、そしてオファーを受けた小川監督の両方に不信感を抱いているファンは少なくありません」(野球ライター)
小川前監督を功労者としてGMに迎えたが、ファンからは反発の声が上がってしまった今回の人事。果たして、小川前監督改め小川GMは、現在の評価を覆すような結果を出すことができるのだろうか。
文 / 柴田雅人