しかも、3着までに入った馬は8、10、5、3、8、5番人気といずれも低評価。今年は日本馬が強力布陣のせいか、注目度は決して高くないが、こういうケースで何度も反発してきたのが香港馬。文字通り、どこの馬の骨か…と軽く扱うと痛い目に遭わされそうだ。
とくに警戒を払いたいのがサイトウィナーだ。前走・チャンピオンズマイル(国際GI)はグッドババ(香港マイル2連覇)、アレクサンドロス(ドバイデューティフリー3着)などの超一流馬が相手。道悪が味方したにせよ、それらを完封した能力は特筆される。05年以降、馬券に絡んだ香港馬4頭いずれもが同レースをステップに安田に乗り込んできた点も見逃せない。
そのチャンピオンズマイルの勝ち時計は平凡だったが、昨年の国際マイルTR(香港G2)では芝1600メートル1分33秒8の好時計をマーク。日本の高速馬場にも十分対応できるスピードを兼ね備えている。サイズ調教師は「今シーズンは非常に安定した走りを見せている。前走が初めてのGI勝利となったが、それまでは不運に見舞われていただけ。もともと能力は高い馬だと思っていたからね」とサイトの力を高く評価している。
来日後も順調そのもの。2日には白井(ダート)で4F66秒2、ラスト1F12秒7(強め)を計時。スピード感あふれる走りは、さすがは国際GIウイナーを思わせた。調教をつけたリン攻馬手は「これまで思い通りの調教ができている。いい状態で府中に行ける」と満面の笑みを浮かべた。
ここを勝てば100万ドルのビッグボーナスが手に入るとあって陣営はやる気満々。鞍上のプレブル騎手もブリッシュラック(06年)で安田記念をを勝っており、コース、流れはすでにインプット済みだ。
サイトウィナーの漢字表記は「勝眼光」。まさに眼前には「勝」の文字しか見えていない。日本馬にとっては何とも厄介な存在になりそうだ。
【今朝の表情】アルマダと同時に角馬場に入り、約10分間、体をほぐした後、ダートコースへ。アルマダを前に置きながら、常歩で1周、キャンターで3/4周した。スッキリとした馬体で、首をグイッと下げ気合も満点。自らまたがったサイズ師は「今日もいい動きだった」と及第点を与えた。明日、芝で併せ馬を行う予定。