マット界きっての策士が暗躍し始めた。
この日、3月21日に千葉ポートアリーナで開催する自主興行「CRASHII」にドラディション藤波辰爾の参戦を発表した蝶野。会見では「今回はオレも迎え入れるだけじゃなくて、外に出てドラディションの方にも出たいって方針を藤波さんに伝えた」と表明した。
2005年7月26日に全日本プロレスに出場して以来となる他団体出撃の意向を示したが、黒い総帥にはその前に成敗しなければならない天敵がいる。17日の両国大会で激突するGBHの“猛牛”天山広吉だ。首の負傷から4カ月ぶりに復帰する天山から宣戦布告されたことに、この日の会見後は即座に呼応した。
まず天山から「復帰戦でこのカードはモノ足りん」「ただ相手が蝶野とかなら良い準備運動にはなる」などと挑発されたことに「病み上がりのクセにホザいてんじゃねぇ。とりあえず自分の心配しろよ」とピシャリ。続けざまに「ひとつ言っておくなら、アイツはもっと自分の仲間のことを考えた方が良い。仲間に裏切られんぞ」と不敵に言い放った。
あたかも天山率いるGBHが空中分解するかのように忠告した蝶野だが、その口ぶりからはキナ臭さがプンプン漂う。さらには、なにか画策しているのか「あんなヤツはリングに立ってオレが耳元でささやけばイチコロなんだよ」とも。耳元でささやく内容こそ明かさなかったが、これまで散々天山を手のひらで転がしてきた策士は、その胸の内にとっておきの“口撃”を携えているようだ。
復帰する天山をハメようと“黒いワナ”をチラつかせた蝶野。一体黒い総帥はなにを目論んでいるのか、17日の両国大会が楽しみになってきた。