ことし3月27日に六本木ヒルズで行われたUFCとの業務提携会見、そしてドリーム・ステージ・エンターテインメント(DSE)主催としての最終興行となった4月8日の「PRIDE・34」からおよそ8カ月、止まったままになっていた時間がついに動き出した。
この日の会見には元DSE広報局局長だった笹原圭一氏、PRIDE武士道の広報としても活躍したDEEPの佐伯繁代表をはじめ、リングアナウンサーのケイ・グラント氏、太田真一郎氏、レニー・ハート氏、さらに元PRIDEガール、演出、制作チームとしてPRIDEを影で支えてきた舞台裏のスタッフが集結し「やれんのか!大晦日!2007実行委員会」としてイベントを運営することを発表した。
笹原氏はPRIDE生誕の日でもある10月11日に1000人を超える署名をPRIDE復活を望むファンから受け取ったエピソードを交えながら「スタッフ、選手、ファンも変わらぬ想いがある」とし「全身全霊、四肢が震えるほどのイベントにしたい」と声を詰まらせながらも熱い思いを吐露した。
また、PRIDE特有の試合前のスキッド映像などを手掛ける佐藤大輔氏も「これで最後だろうとしみったれた葬式にするつもりはない。最後まで泣かせてアオッて映像をお届けする」とこれまでと変わらぬ恒例の大みそかイベントを復活させることを宣言した。
ただ、今回のイベントはあくまで単発的なもので「とにかく“あのイベント”を中途半端に終わらせたくない。ピリオドというか、けじめをつける」とし、今後については「まず今回の大会を成功させることが先決」(笹原氏)と明言を避けた。
PRIDE統括本部長だった高田延彦氏も再びやれんのか!統括本部長として“参戦”する。「あの熱に負けないものをやれんのか、と。私はやれると確信した」とした上で「PRIDEの空間を凌駕するようなイベントにする」と意気込んだ。
参戦選手としては桜井“マッハ”速人、青木真也、川尻達也、石田光洋が会見に出席。出場予定選手として三崎和雄、長谷川秀彦、ヨアキム・ハンセン、ヒカルド・アローナ、ギルバート・メレンデス、ルイス・アゼレートも発表された。
現在「PRIDE」の名称は、DSEからPRIDEの運営権などを譲渡されたUFCオーナーでもあるロレンゾ・フィティータ氏ならびにPRIDE FCワールドワイドが所有しており使用できないため「やれんのか!」のイベント名となったという。また「実行委員に欠けているのは大会をプロモートする力」(笹原氏)ということから、来年2月に米国で旗揚げするM-1グローバルの協力を得て開催される。
そのM-1グローバルからは“60億分の一の男”エメリヤーエンコ・ヒョードルの参戦が正式決定。ヒョードルは「長いブレイクがあったが、また日本に来られてうれしい。世界一熱い人々とまた仕事ができてうれしい」と“あの頃と変わらぬPRIDE”との再会に笑顔をのぞかせていた。
止まっていた時計がいよいよ動き出した“最後のPRIDE”が、誕生から10年目の大みそかに伝説になりそうだ。