開幕前のDREAMフェザー級戦線で、早くも日本人ファイターの火花が散っている。
「DREAM.5」のフェザー級ワンマッチに臨むKID。米国WECフェザー級王者ユライア・フェイバーが送り込んできた刺客ジョセフ・ベナビデスとの対戦を前に、この日は赤坂サカスで行われたイベント内で軽めのスパーリングを公開した。
DREAM初参戦を前に打撃だけではなく、柔術特訓なども行い「いますぐにでもいける」ほど絶好調。コンディションが良いせいか、イベントのトークショーでも上機嫌。「次の試合はKOでバッチリ勝ちたいって思ってマース」と、集まったファン1280人の前で堂々のKO宣言も飛び出した。
DREAM初参戦とともに、同リングでのフェザー級初戦に胸を高鳴らせるが、例の話題になると急に顔をこわばらせた。KID階級といわれるDREAMフェザー級に参戦してきた“闘うフリーター”所英男だ。
これまでも所からの対戦要求について問われ、再三「(所は)チャンピオンでもないのにやる必要ないでしょ」「いまはアメリカの強いのとやりたい」などと話してきた。
それだけに煙たい話題だった。この日も6・15「DREAM.4」でダレン・ウエノヤマに判定勝利した所について「どうなの?って感じ」「きっちりやっちゃえよって感じ」などと試合内容にダメ出し。そればかりか「オレの後釜なんですけど、コイツなら所選手を余裕で倒せちゃう」と、会場に来ていた同じチームの修斗世界フェザー級5位の山本篤を刺客として送る考えを示した。
DREAM初戦に向け、ひとまず周囲の雑音をシャットアウトしたKID。フェザー級の命運、ひいてはDREAMを背負って立つエースの視界にあるのは、世界の強豪だけだ。