世田谷学園出身の吉田と、明大中野高校出身の菊田。両校の柔道部は合同練習することも多く、ふたりは同じ畳で汗を流したこともある。吉田によれば「沖縄での国体では同じチームで優勝した記憶がある」という。
その後、吉田は1992年のバルセロナ五輪で金メダルを獲得、菊田は柔術を始め、寝技世界一を決める大会「アブダビコンバット」で日本人初の優勝を成し遂げ、頂点を極めた。そのふたりが、紆余曲折を経て総合格闘技のリングで再会する。
2年先輩に当たる吉田は「戸惑いもあるし、勝たなきゃという重圧もある」と複雑な心境を吐露した。菊田も「20歳で柔道を辞め、絶対に交わらないと思っていた。普段は日本人相手でも殴ることは平気だけど、初めて複雑なものを感じる」と話す。
吉田道場VSGRABAKAのトップ選手同士の対決とあって、ジムの威信を懸けた闘いでもある。互いに「負けられない」と語る両者の激突は、様々な思いが交錯する運命の一戦だ。