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「橋本充太の東京短時間散策」 新宿は黒山の人だかり!

 UCLAの帽子とマスク姿で異様に詳しく放射能の話をするため、“カルト”扱いされている私こと橋本です。

 新宿駅周辺がゴーストタウンになっているのでは…などと想像している“同類”の方々がいるのではないだろうか。

 心配ご無用、である。
 例えば今週の平日某日、午後2時くらい。

 新宿駅の京王・小田急の周辺、思い出横丁、大ガード、歌舞伎町のすべての筋から、靖国通りの新宿5丁目、3丁目周辺、2丁目…そう、どこへ行ってもまさしく、黒山の人だかりである! マスク率は、目測で5%以下だ。

 (馬鹿な)
 初めはそんな風に世間様との温度差に敗北感を感じたが、現在街が元気なものは元気なのだ。飲食店なども、それなりに賑わっている。

 そして改めて、一時元気の無かった歌舞伎町までがお客で満杯。(風営法前夜か)上田晋也のようにその人だかりを例えながら、心の中でせいぜい力強く突っ込むしかない筆者なのである。

 どうも若い人が多い。
 「福島県から来ました。ここはすごいところですね(笑)」
 バンドをやっているという3人組の学生たちだ。ギターをくくりつけたガラガラを引いて、靖国通りを徘徊していた。実際こういう人らはいた。

 別の露天商のカップルは、
 「まあ、(風評で飲食物の売り上げが多少落ちても)適当っす」(アコちゃん・26歳)
 と意に介さず。
 そういえば、草津温泉もいつになく若者の活気に溢れているということらしいが。
 
 そう、これはいいことなのではないか!

 思い直すところがあり。この日は、仕事の帰りに“牛込柳町方面の隠れたラーメンエリア”で2軒ハシゴしてから家路に就いたのである。

 夜を迎えてもそれなりに賑わいを見せている新宿あたりの今…。
 ちょっと暗い街の灯とともに、人々の明るい表情までが、懐かしい風営法前夜のようだ。よく見ればいろんな人が歩いている。

 計画停電以上に大事な役割のある街もあるんだなあ〜、と思わされた短時間散策なのであった。

<橋本充太>
 神奈川県出身。物書きを生業とする変種。「じゃあ小説家ですよね!」と時折聞かれるのが悩み。違うので、「別に」と答えている。新聞社や雑誌社など広範に及ぶ根城を拠点に、エンタメ分野を中心に執筆。

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