キャバ嬢が席に着く時に挨拶を交わし、視線を交わす。お互いに会ったことがあるという記憶を持っているが、名前すら覚えていないケースだ。
今回、席に着いたハルカ(仮名)とは、4カ月ぶりの再会だったが髪形や髪の色、メイクを変えてしまっている。まるで別人だ。すぐに思い出せないのは当然である。
キャバクラの世界はとにかく変化が速い。激流のど真ん中で売上げを伸ばそうとするキャバ嬢のルックスも同じように変化する。
ハルカとしばらく話すうちに次第に4カ月前の記憶が甦ってきて、懐かしい友人のように会話が弾む。意識して他のお客とは違う何かをキャバ嬢に投げかけていれば、わずか10分程度でも相手の脳裏に良い印象を刻みつけることが可能なのだ。口説くための第一歩は差別化である。だが懐かしさのあまり、楽しいだけの話題で終わってしまえば、せっかくの再会も無意味なものとなってしまうだろう。
キャバクラで交わす会話や態度の全ては、口説くための目的として位置付けるのだ。キャバ嬢の心を揺らし、踏み込むような攻めの姿勢である。
その理屈がわかっていても、心を鷲掴みにされるハルカの見事な会話術でコロリと崩れ去った。つまり、心を揺らすことが出来なかったのだ。
キャバ嬢との再会に心を踊らされては、口説くことが出来ない。懐かしさに流されると口説くチャンスも流れてしまうということである。キャバクラへ行き慣れているお客ほど気を付ける必要がある。
(月山皇)
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