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マーメイドS(GIII、阪神芝2000メートル、21日)阪神で重賞2勝 マイネレーツェルが底力見せる

 夏の阪神競馬のオープングを飾る「第14回マーメイドS」(GIII、芝2000メートル、21日)は、波乱含みのハンデ戦らしく、過去10年で1番人気が勝利したのはわずか2回しかない。昨年もシンガリ人気のトーホウシャインが差し切りVを演じ、周囲をアッといわせたのは記憶に新しいところだ。今年、怪気炎をあげているのはマイネレーツェル。久々のヴィクトリアマイルを叩かれ、中間は復調急。得意の阪神でガラリ一変が期待される。

 わずか410キロ前後の小さい馬体に、あふれんばかりの闘争心を詰め込んだマイネレーツェルが、逆襲のチャンスをうかがっている。
 前走のヴィクトリアマイルは17着に大敗。相手がそろっていたこともあるが、それ以前に“瞬間湯沸かし器”のような気性がアダとなってしまった部分が大きい。五十嵐調教師は敗因についてこう語る。
 「前走はパドックで乗り役がまたがった瞬間にスイッチが入ってしまった。返し馬でさらにテンションが上がってしまったし、スタートから掛かってしまってはねえ。あれじゃあ、惨敗も仕方ないよ」

 当時は4カ月ぶりの実戦。パニックに陥ってしまった彼女を止める術はなかったが、結果的にこれがいいガス抜きとなったようで、中間はその闘志がいい方向へと表れてきた。
 「気合が乗ってきて、気持ちがすごく前向きになってきた。1度使って、走りたいという雰囲気がかなり出てきたね」
 精神面での変化に加えて、今春に入ってからはフィジカル面も強化された。課題だったカイ食いの細さが解消し、馬体減りの心配がなくなった。まさに充実の4歳春。しかも舞台は過去、2つの重賞Vを飾っている阪神だ。
 「以前に比べると、カイバを与える量もかなり増えてきた。昨春のようなひ弱さがまったくないね。牝馬同士のGIIIなら出番は十分にあると思うし、今後に向けても賞金加算をしておきたい」
 暴走モードから、戦闘モードへとスイッチが切りかわった根性娘が、巻き返しに燃えている。

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