誤算だった。「体を減らしてしまったのがこたえたようだね。いい感じに仕上がったと思ったんだけど、牝馬はやっぱり微妙だな」と平田師は苦笑いを浮かべた。
前走のヴィクトリアマイル、ベッラレイアは8着に敗れた。いつものような瞬発力を発揮できず、その原因が休み明けで減ってしまった馬体重にあったという。
「458kgでは出せると思ったけど、452kgだったからね。休み明けは走る馬だけど、秋華賞の後、筋肉痛で休ませたこともあって、スクミもあった」
そのためこの中間はじっくり馬体回復に努めてきた。「470kgまで戻っているし、今回は輸送も当日に阪神までと楽でしょう。460kg台で出せると思う」
ハンデは56kgと背負わされたが、それも「仕方ない」と思えるだけの実力馬だ。GI勝ちこそないものの、3歳時はウオッカ、ダイワスカーレットと並び、3強といわれたほど。牝馬同士のGIIIならまず負けられない。
「条件はそろった。今度はやれていい」
秋につなぐため、きっちり差し切りたい。
【最終追いVTR】坂路を軽快なフォームで駆け上がった。前走で減った馬体を配慮、テンションを上げないように終始、馬任せだったが、気配は上々だ。