「前に付き合っていた彼は、とにかく自分は他人と違うというのをアピールする人でした。音楽でも映画でもマイナーなものばかり選び、『普段、メジャーアーティストの音楽や、ハリウッド映画しか触れない人には、俺の感覚はわからないんだよね』が口癖で、あからさまに他人を見下していました」
彼に突出した才能があるならば、その発言も受け入れたという華子さん。しかし彼にそんな部分は何も感じられなかったため、次第に嫌気がさしてきたという。
「一番嫌だったのが、『俺、わかっちゃうんだよね』とか言う霊感があるアピールです。特に、どこかにデートに行くたび、『あ、ここなんか嫌な感じがする』『霊がいるかも』とか言うので本当にテンションが下がりました。昔、テレビで有吉弘行が『クラスで何の特徴もない奴にかぎって霊感があると言い出す』と話しているのを見たんですけど、まさに彼がそうなんじゃないかと思えてきて…」
挙げ句の果てに彼は「俺から離れていった人間って、なぜかみんな不幸になるんだよね」という、遠まわしの脅しとも取れる発言があったことで、彼女は完全に愛想が尽き別れた。
彼と別れて1年ほど経過したそうだが、特に不幸なことは起こっていないという。
取材/構成・篠田エレナ
写真・darkday.