国枝厩舎は先週、札幌記念のマツリダゴッホ(7着)、サイレントプライド(11着)、そして、新潟2歳Sのタケショウオージ(5着)で2週連続重賞制覇を目指したが、惨憺(さんたん)たる結果に終わった。
クーヴェルチュール(キーンランドC1着)がもたらした追い風は一転して、逆風にかわった。そうした中で、マイネルシーガルが救世主になるのか注目が集まる。
その前に、まず気になる仕上がり状態を佐藤助手に聞いたところ、意外な答えが返ってきた。「気持ちと体がバラバラ。原因は馬インフルエンザ騒動もあるけど、記録的な猛暑が一番。人気になって“ドボン”(凡走)しても不思議はない」
うがった見方をすれば、勝って当然という期待感の大きさゆえ、あらかじめ列挙した不安材料が“免罪符”になるということなのか。もちろん、オリンピック精神で使うわけではない。
佐藤助手は言う。「ここを目標に牧場では乗っていたし、春より力をつけて戻ってきた」とパーアップの跡を強調。「涼しくなって(レースまでに)良くなると思う」
力のある馬はレースが近づけば、自分で体をつくるといわれる。最終追い切りをきっかけに、戦闘モードに入れば占めたものだ。
中山コースはジュニアC1着、スプリングS2着と相性が良い。スプリングSはここと同じ休み明けだったし、本来、久々は苦にしないタイプでもある。
佐藤助手は石橋を叩いて渡るほど慎重だが、有力候補の一頭であることに間違いはない。
【最終追いVTR】直線は先行する2頭の真ん中に突っ込み、ぐいっと伸びて1馬身先着。反応、伸びとも抜群で5F62秒7のタイムも出色。態勢は整った。