コーラルS、アンタレスSともに最速の上がり(3F)を計時。とくに初重賞制覇を飾った前走はメンバー中唯一の35秒台。適性距離とはいえない1800mでのものと考えれば、完全本格化なったといっていい。
尾形助手はここ2戦の好走の要因をこう説明する。「確かに前走は岩田さんが(前半)何とか我慢してくれたけど、内枠が良かった。外枠だと行きたいだけ行っちゃうので、内で砂を被る形の方がいい。ちょっとしたウンチクになっちゃいますけど、この馬にとって枠はものすごく大事」
その“悪い例”は昨年のマーチS(9番枠)。前半3番手追走で脚をなくし、持ち味の切れ味を発揮することなく5着に敗退している。一方、ここ2戦は“良い例”。8番枠、6番枠と内寄りの枠で連勝だ。今回も最大のポイントとなるのは枠順だろう。
もちろん、それ以前に態勢が整わなければ話にならないが、2カ月半の休養明けも用意は周到だ。27日には新馬戦以来となる蛯名騎手を背に、美浦・坂路800m50秒4(馬なり)と、相変わらずの“調教番長”ぶりを披露。「順調そのもの。前走後はすぐにここを目標にし、レースから逆算して放牧から帰した。千四は一番競馬がしやすいし、メンバーを見ても正直、力は上」と尾形助手は自信満々に話す。
1週前登録には25頭がエントリー。フルゲートは必至だけに、たとえ外枠を引いても馬群の中で競馬を進めることは難しくない注文だ。“アウエー”に強いワイルドワンダーが極上の切れ味をさく裂させる!