かくいう僕も活字と同じくらいコミックやアニメやゲームも好きだが『機動戦士ガンダム』の作者・富野由悠季さんは「アニメばかり観てないで活字も読め」と講演のたび仰るとか。読むだけじゃなくて書いてみると、更に文章が好きになれると思う。そしてそれを文学フリマに出展してみるのも一興だろう。
このイベントにはプロの書き手によるサークルも多く、雑誌やテレビで見たことのある方が売り子をされていることも。客の中にも有名人は多く、会場をうろうろしているだけでも楽しい。有名人によるブースはたとえば、『文学賞メッタ斬り!』などで知られる豊崎由美さんの、V-20「書評王の島」/青林工藝舎などで活躍する漫画家による、P-01「西岡兄妹」/中原中也賞詩人による、S-20「三角みづ紀」などがある。
また今回は「twitter小説」がらみで、A-17「南洋文芸通信社」/A-18「ついのべ豆本♪部」/A-19「ついのべ電書部」の3ブースが並んでいるのも特徴。「ついのべ」とは、80冊もの著書を持つ人気作家・内藤みかさん(twitterID:@micanaitoh)が考案した、twitter小説用ハッシュタグ「#twnovel」の愛称。これを付けてtwitter小説を書くと「#twnovel」の部分にリンクが張られ、クリックすれば大勢の書き手による「twitter小説」の一覧を読むことができる。
おりひかいくおさん(twitterID:@Orihika)が編集した『月刊(?)twitter小説vol.2』(南洋文芸通信社)によると、twitter小説家は今年4月30日の時点で7,200人。昨年7月から約1年だったことを考えれば、今は1万人を超えていると思われ、今後の行方が気になるムーブメントである。
文学フリマには評論系の本も多い。U-11「科学魔界」代表はSF評論家の巽孝之さん。ア-09「筑波批評社」/エ-20「新文学」/エ-29「未来回路製作所」/エ-41「萌え理論」は、2008年11月の「第七回文学フリマ」を舞台に繰り広げられた、講談社BOX主催「東浩紀のゼロアカ道場」第四回関門参戦者によるブース。「新文学」には、僕も寄稿している。
なお番号の前がアルファベットの場合は大展示ホール、カタカナなら小展示ホールにブースがある。人気サークルの本は、コミケと同じく早々に売り切れてしまうので、ご注意を。(工藤伸一)