「石破はこの会の他にも、60人に及ぶ超党派議員を擁した勉強会『さわらび会』を発足させている。そのため、無派閥を装いながら勢力を伸ばし始めた石破を各派が牽制。ポスト安倍と、次期閣僚ポストを巡る暗闘を繰り広げ始めたのです」(政治アナリスト)
また、別の政治部デスクがこう語る。
「結局、石破派の動きは選挙後、新人議員の青田刈りに走っていた各派に、余計な刺激を与えてしてしまったのです。最大派閥の町村派は総選挙前の44人から80人に。額賀派は28人から50人に倍増し、岸田派(旧古賀派・現勢40人)や麻生派(同34人)も大増殖。また、谷垣禎一前総裁の『有隣会』(17人)や松島みどりの『アベノミクスを成功させる議連』(37人)が設立され、今や党内は派閥の群雄割拠状態。そのため、今後は熾烈な議員の引き抜きが展開すると見られているのです」
要は石破派の蠢動で、派閥利益を増幅させようとする動きが加速。それが原因で、小泉進次郎氏が統率する青年局内の青田刈りが展開する可能性が、確実視されているのである。
ただし、各派閥が青年局と進次郎氏の懐柔を目論むのは、なにも勢力増強のためだけではないという。
進次郎氏は、もともと総裁選で石破氏に一票を投じた人物。現在も外交、防衛問題で同氏の薫陶を受けており、「この力を削がない限り、“ポスト安倍政権”で冷や飯を食わされることになる」(前出・政治アナリスト)と見られているからだ。
加えて、青年局には各派が喉から手が出るほど欲しい人材が参集しており、これが派閥抗争に拍車を掛けそうな雲行きなのである。
「実は、青年局には大物二世議員が多数参加しているのです。たとえば、小泉元総理の“側近中の側近”と呼ばれた武部勤元幹事長の長男・武部新や、橋本龍太郎元総理の二男・橋本岳。さらに福田康夫元総理の長男・福田達夫や、小泉政権時代に政調会長として仕えた中川秀直元幹事長の二男・中川俊直までいる。各派閥は、このキラ星のような人材収集も目論んでいるのです」(前出・政治部記者)
刈られるのか、それとも暗躍する派閥領袖を押さえつけるのか。今後、進次郎氏の動向から目が離せない状況が続きそうだ。