番組では『小栗旬の本音』と題して「この先のドラマ界、どうなるんだろう?」というトークテーマを展開。そこで小栗は「もう本当にヤバイじゃないですか? テレビ」と現在の業界に危機感を抱いていることを明かし「僕はテレビドラマが大好きです。絶対やり続けていきたいです。だけど本当にもう面白くなくなってきてしまっているし、やっちゃいけないことが多すぎて。しかも最近はお金がないからできない。じゃあテレビドラマに出ないってのはすごく簡単なんだけど、テレビがこのまま面白くなくなるのは嫌だな」と熱弁。そして今よりもテレビを面白くできる環境を作りたいと話した。
すると松本人志は、現在の視聴率に縛られているテレビ業界について「例えば1個でいいから“今期これはもう視聴率気にしないで本当に面白い事やろうよ”っていうのを作れればいい」と提案し、坂上忍も「ドラマって今の時代1クールじゃないですか。3か月スパンのものを、打ち切りだけはやめてくれよって思うんすよ。それはもう作った者の責任だろと。スポンサーさんのご意向ってのはわかりますけども、そこは長い付き合いなわけだから、GOを出したら成就させてあげてほしい」とヒートアップ。これには小栗も「現場の士気に関わることじゃないですか。なんでこんなに、現場がないがしろにされなければならないんだろうと思う」と、坂上たちの発言に強く共感し、視聴者からも大きな注目を集めた。
そんな小栗は、先日までドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(関西テレビ・フジテレビ系)に主演していたが、一部週刊誌にて「フジのドラマには二度と出ない」と激怒していたことが報じられた。記事によると、5月2日放送回の冒頭には、元々、北朝鮮関連のニュースを伝えるシーンがあったとのこと。しかし放送当時、情勢が緊迫していたことを制作側が配慮し、カットしたため、小栗は激怒してしまったという。この報道に対し、小栗の所属事務所は「酒の席などで話した愚痴に尾ひれがついてしまったのかもしれません」と説明し、フジテレビとは新しい仕事が進んでいると絶縁の噂を否定した。とはいえ今回の番組を見る限り、小栗が現在のテレビ業界に蔓延る過剰な自主規制に不満を持っているのは、事実のようである。
また小栗といえば交友関係が広く、多くの飲み仲間がいることでも有名だが、その中にも小栗と同じように熱い思いを持っている俳優がいる。ある日、お笑い芸人のナインティナイン・岡村隆史が友人の小栗に誘われ、宅飲みに参加した時のこと。そこには小栗以外にも、妻夫木聡、嵐・松本潤、金子ノブアキなど錚々たる面子が顔を揃えていたという。しかしそこで事件は起きた。当時の状況を、岡村は以下のように振り返っている。
「妻夫木くんが横だったんですよ。で、『ブッキー最近どうなの〜?』みたいな話をしてて。(略)まあ俺もブルーリボン獲ってるみたいなのがあったんやな。酒飲んでるから。ほんで絶対言ったらアカン……『どうなの? 下町ロケットとか見てんねんけど、お笑いの人とかもいっぱい出てて〜』みたいな。ちょっと踏み込んではいけない演技論的なとこに入っていってもうたん」
岡村によると、自分は芸人でありながら映画などに度々出演し、賞も受賞していたことから、妻夫木と対等に話したいというスイッチが入ったのだという。最初は妻夫木も「そうですねー」と岡村の演技論をおとなしく聞いていたそうだが、途中から顔色が曇り始め、最終的にはかなり大きな声で「それは違うじゃないですか!」と怒鳴られたと明かしている。
岡村は当時、酒に酔っており、何を言ったのかは覚えてないとしながらも「あれ、ブッキーってこんな大きな声出すねんやと思って。俺は今、入っていってはいけないところに、コメディアンが土足で入っていってると思って。で、ブッキーに『まぁまぁまぁ、冗談冗談』って言って」と激怒する妻夫木を必死になだめたと話した。その後、岡村は「あんなに優しい顔したブッキーがすごい怖かった」「役者の方と飲んだら自分も役者みたいに思ってまうねんね。あかん。もう絶対そういう話さんとこ」と反省している。
小栗や妻夫木も、俳優として譲れないものがあるからこそ、時には熱くなってしまう瞬間があるのかもしれない。
【参考】
・ダウンタウンなう(フジテレビ系)2017年7月7日
・週刊新潮(新潮社)2017年6月22日
・ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン(ニッポン放送)2015年12月10日
(柴田ボイ)