3、4コーナーにかけて並ぶ栗東の桜はまだ三分咲き。ただ、つぼみはほのかなピンクに染まっている。昨1日、それらを背景に、カワカミプリンセスがDWコースの直線に入った。軽く仕掛けられるとラスト1Fは12秒2の伸び。追われると次第に頭が高くなっていったが、これはむしろ好調の証しだ。
「気合を入れる感じで肩ムチを3発入れたら、反応は良かったよ。いいころの走りっぷりが戻ってきたし、冬毛がぼうぼうだった前走と比べ物にならない。良くなってきた」
手のひらに残る感触を柳田助手はそう振り返った。6Fも81秒0。テンからしっかりカロリーを消費した。
前走の京都記念は4着。アサクサキングスの復活劇には一歩及ばなかったが、有馬記念7着といい、プリンセスも一歩ずつ上昇している。
西浦調教師も手応え十分だ。「前走後はじっくり調整して、順調にやってきた。前走は休み明けの分、勝負どころでペースが上がると置いていかれたが、今回はそんなこともないだろう。強い牡馬が相手でも結果がほしいね」
先週の高松宮記念はローレルゲレイロがV。同じキングヘイロー産駒のプリンセスにも追い風が吹いている。3歳時の輝きをもう一度。苦労を重ねてGI馬に上り詰めた父の不屈の遺伝子は、プリンセスにも確実に流れている。