府警交通企画課によると、制度を悪用したのは当時、高速道路交通警察隊の福知山小隊に所属していた40代の男性警部補(当時巡査部長)、40代の男性巡査長と、巡査長の妻で舞鶴署所属だった30代の女性巡査部長の3人。
警部補は10年7月25日の日曜日、マイカーで京都府福知山市の舞鶴若狭自動車道福知山インターチェンジ(IC)から高速道に入り、千葉県浦安市の東京ディズニーランドに家族旅行に出かけた。木曜日の29日に戻ってきた際、IC料金所の横にある同隊事務所の駐車場にマイカーを駐車。地下通路を使ってIC外にある職員用駐車場まで歩き、そこに止めていた別の車で帰宅した。料金が割引になる31日土曜日に、同隊事務所の駐車場からマイカーを出してETCを通過。休日の高速料金の上限が1000円になる制度を利用した。正規料金が1万2400円のところを3600円で済ませていた。
また、巡査長夫妻は同年9月、やはり東京ディズニーランドへ家族旅行をした際、往復とも同様の手口で利用し、正規料金2万4800円のところ、7000円で済ませた。
高速道路運営会社の関係者は「高速の不正利用を取り締まる警察が、いったい何をやっているのか」とあきれている。府警交通企画課は「モラルに反する行為。指導を徹底する」と話しており、3人は11年1月に口頭で厳重注意を受けたが懲戒処分はなし。その理由について、京都府警察本部は「警察官として倫理上の問題はあるが、法令違反はなかった」としているが、なにか釈然としない措置である。
(蔵元英二)