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厳重警戒 日本で起こす「地下鉄テロ」の全容 イスラム国スパイ疑惑2人に接触(2)

 さらに、殺害予告の動画がインターネット上にアップされた直後の対応からも、安倍首相が入念に計算した上で「邦人の犠牲もやむなし」の方針を貫いたことがうかがえる。
 「滞在していたイスラエルのホテルのスイートルームで動画をチェックした安倍首相は、ヨルダンとトルコ、エジプト3カ国の首脳に対する協力要請や、日本にいる菅義偉官房長官への緊急対策本部設置の指示、外遊日程の変更など、全て一人で仕切りました。かなりの手際の良さだったので、やはり十分にイメージができていたのだと思います」(別の外務省関係者)

 ともあれ、安倍首相のスピーチが呼び水になり、対日テロが新たな局面に入ったのは間違いない。ジャーナリストの後藤健二さん殺害動画で、イスラム国のイギリス人戦闘員は、ナイフを片手にこう恫喝した。
 「アベ(安倍首相)。勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせいで、このナイフがケンジを虐殺するだけではなく、お前の国民を見つければどこにいようと大虐殺を引き起こしていく。日本にとっての悪夢を始めよう」

 この宣言を、外務省は「ブラフの側面もある」と冷静に見つめている。
 「もちろん日本人が海外で被害に遭う危険度は高まったといえますが、中東において日本の存在感は小さく、空爆国である米国やイギリス、フランスなどがイスラム国にとって主な敵であることは変わりません。欧米は、イスラム国を支持する一匹狼タイプのテロリストを警戒していますが、もともと日本には大きなイスラム社会がないため、国内でテロが発生する恐れはゼロに近いでしょう」(前出・外務省幹部)

 しかし、公安当局の見方は百八十度違ってくる。それは、ある情報を握っているからだ。
 「実は昨秋、イスラム国に戦闘員希望者を紹介しているとされるトルコ人が観光目的で来日したのです。1週間にわたって、イスラム教徒とみられるフランス人とイギリス人が行動を共にしていました。このフランス人とイギリス人は、イスラム国が日本に送り込んでいるスパイの疑いがあるため、厳重に警戒しています」(公安関係者)

 本誌は、この2人のうちフランス人との接触に成功した。匿名などの条件は付けられたが、拍子抜けするほど事もなく取材に応じた。
 日本でイスラム国の窓口役を担っているという、パリ出身の30代男性だった。スーツ姿で、一見すると普通のサラリーマンと大差ない印象だ。「親戚2人と友人4人がイスラム国に加わっていて、自然と協力するようになった」という。

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