すべては桜のために。アイアムカミノマゴにはそんな執念すら感じる。
2歳時は4戦2勝、2着1回。上々の成績を残していながら、年が明けると、関東の杉浦厩舎から栗東の長浜厩舎に移ってきた。
関東馬にとって桜花賞をなかなか勝てないハードルのひとつに、阪神競馬場への長距離輸送がある。最近では栗東に早めに入厩して備える例も出てきたが、転厩した方が落ち着いて取り組めるのは自明の理だ。
受け入れたのはアグネスフローラで桜花賞制覇の実績がある長浜厩舎。しかも、カミノマゴは、そのフローラの仔であるアグネスタキオンを父に持っている。
転厩後の2戦、紅梅SとエルフィンSはともに4着。長浜調教師は「環境の変化に強くて、紅梅Sではなかなかいい末脚を見せてくれた。エルフィンSはペースが遅く逃げる形になったけど、目いっぱい走っていない感じだった。現状は決め手を生かした方が良さそうですね」と分析した。
中間は順調そのもの。5日の1週前は栗東DWで併せ馬を行い、軽々先着した。「いい感じできている。もう少しレースぶりが安定してくれればいいんだけど、控える形でうまく流れに乗れればチャンスはあると思う。楽しみにしている」とうなずいた。
ブエナビスタは突出しているが、そのほかはドングリの背比べ。桜へ向け、ラストチャンスにかける。
【最終追いVTR】福永騎手を背にDWコースで併せ馬で追われた。直線はゲバルトステイヤー(古馬1000万)との追い比べとなったが、外からラスト1F11秒6の鋭い伸びで、軽く3馬身先着。最後まで余裕のある脚色で、状態は文句なしだ。