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ソフトバンクに銭闘内乱

 7年ぶりにリーグ優勝したものの、クライマックスシリーズでロッテにまさかの敗戦。またもや日本シリーズ出場ならず、長年のポストシーズンゲームの呪縛解放のためにFA選手獲りに躍起のソフトバンク。が、大金投入の補強は、チームリーダーを激怒させ、契約更改新システムに反発する生え抜き主力選手の怒りに拍車をかけることになるのは必至。ソフトバンクの造反劇から目を離せない。

 最大のウイークポイントの捕手とあって、西武からFAの細川亨に4年総額5億円という好条件を提示。オリックス、横浜との争奪戦に勝利したソフトバンク。次なるターゲットは、横浜からFAした内川聖一獲得を目指す。残留説得に必死の横浜。いの一番に交渉した、FA選手獲り初参戦の広島。細川同様に内川も争奪戦になっているが、ソフトバンクが本命視されている。
 「日本一になるためには、FA選手の2人枠を使う。今年はそういう方針だから」。編成委員会副会長でもある王貞治球団会長がこう明言した通りに、ソフトバンクはFA市場で主役になっている。方針通り順調な展開のFA戦線だが、内部から怒りの声があがっている。
 「俺もFAの資格を持っているのに、一言も話がない。いったい、どうなっているんだ」と口火を切ったのは、主将の小久保裕紀だ。あわてた球団フロントは謝罪し、誠意ある対応を約束したが、これだけでは終わらない。
 パ・リーグのMVPを獲得した和田毅が、年俸を抑え、来季の成績による出来高払いで補填する球団の新年俸システムに関し、異議を唱えたのだ。「話してみないとわからないけど、今年頑張ったことが全く意味がなくなる。来年頑張れという評価になりますよね」と。確かに、新システムでは今季の7年ぶりのリーグ優勝の評価を軽視されかねない。
 和田だけでなく、同じ左腕エースコンビの杉内俊哉らも批判的で、契約更改は大荒れになることは避けられないだろう。ましてFAで入団する細川らの好待遇がある。7年ぶりにリーグ優勝したナインたちの反発に拍車がかかるだろう。年俸を抑え、出来高を重視するのは、FAで大金がかかったからだという感情論まで出てくるのは目に見えている。

 FAを巡る内乱劇は巨人が有名だ。落合博満から始まり、川口和久、広澤克己、清原和博、工藤公康、江藤智とFA選手を乱獲、次々と破格の待遇で迎え入れたために、巨人の生え抜き選手が怒り爆発。
 「FAで他球団から入ってきた選手ばかりが厚遇されていて、我々生え抜きは冷遇されているのは許せない」と、選手会長を務めていた高橋由伸が球団側に抗議。球団側は手のひらを返して、生え抜き主力選手に対し、長期契約と大盤振る舞いの年俸で反乱を抑え込んでいる。
 が、ソフトバンクの場合は、新年俸システムでもわかるように、巨人のように潤沢な資金を持っていない。札束で口封じという芸当は無理な相談だろう。8年ぶりの日本一を目指すためのFA選手獲りが引き金になっての反乱劇は簡単に幕引きできないだろう。

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