守さんは、つねに顔色が悪く、貧弱。体重50?台の明よりさらに細い、40?台。大バカだ。学生時代のテストでは、○×問題さえ解けず、「△」と書いた。
父は、漫画『ゴルゴ13』のような風貌。ある日、血まみれになって帰宅するや、顔色ひとつ変えずにスクワットをはじめた。驚いた家族を見て、ひとこと。「おまえら。外国人は強いぞ」。何が起こったのか、今もって不明らしい。
その強烈キャラから、テレビ出演がもっとも豊富なのは母。
明が高校生のとき、テストで高点数を取った。母に喜びながら報告すると、思いきりキレられた。「あんた、まさか大学行くつもりやないやろな!」。超貧乏だった石田家に、息子を大学に入学させられるほどの余裕はなかった。そして、この貧乏ネタこそが、母をテレビ出演させるきっかけになった。赤貧家族を支えた母の爆笑実話は、山ほどある。
遠足のとき、子どもの弁当箱に入れたのは、食パン2枚だけ。理由は、「おにぎりを握るのが面倒くさかった」だ。
運動会に乱入したこともある。しかし、朝からずっと焼酎を飲んで観戦していたため、ベロベロに酔っ払った状態での徒競争だった。ちなみに、ノンスタが『M-1グランプリ2008』で優勝した際、明が嬉しさを報告するために家族に電話したときも、母は泥酔していた。その様子は、ネットテレビで流された。
心温まるエピソードもある。明が母の日に描いてくれた似顔絵を、室内に貼っていた。しかし、愛息子が描いてくれた嬉しさからではなく、割れた窓から入ってくるすきま風をふさぐためだった。
「プラモデルがほしい」とおねだりされると、四季は関係なく、クリスマスツリーを装飾させた。内職を手伝わせていたのだ。それを明が知ったのは、中学2年生だった。
目立つのが好きな母。そんな“オカン孝行”も含めて、明は母のテレビ出演を絶賛受付中だという。(伊藤由華)