この番組は出演者の大半がお酒を飲みながら、ゲストたちと「本音トーク」をする触れ込みで、桃子氏は女性評論家の一人としてオファーを受けた。インターネット番組ならではの「ユルい」構成だといえるが、実際に彼女が受けたものは暴力そのものであったという。桃子氏はプライバシー保護のため、普段から表舞台へ出る時は仮面をつけている。事前の打ち合わせではそれは了承されたものの、いざ番組へ出演すると、飲酒した加藤浩次らは「仮面を取れ」「顔をさらせ」となじった。さらに、加藤はほかの女性評論家にも「クソババア」といった暴言を発している。
これを受け、ネット上では「これは過激でもなんでもないだろ」「やっていいことと悪いことがある」といった厳しい意見が相次いだ。
「極楽とんぼの笑いの魅力は、不穏なリアリティにあるといえます。彼らの初期の代表作に『喧嘩コント』がありました。ささいな言い争いが本気の殴り合いに発展して行くものです。もちろん、これは双方が了解しての“ネタ”です。こうした芸風を援用して、ある高校の卒業までの半年間に密着するも、やる気のない教師が途中で来なくなり包丁を持って卒業式へ乱入するといったフェイクドキュメンタリー作品も作られました。もちろんこれらは“ネタ”であり“シャレ”ですが、今回のネット番組は実際の被害者が出ているため、そうした次元の話ではないでしょう」(放送作家)
極楽とんぼは山本圭壱が起こした不祥事により、10年近くにわたって活動休止を余儀なくされた。その間に、社会のコンプライアンス意識も大きく変化している。
ネット番組だからといって、かつての「ノリ」を反復するだけでは問題となってしまうのは当然であろう。過激キャラも封印せざるを得ないのではないか。