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人魂の科学的解釈

 UFOの陰で凋落いちじるしい人魂(ひとだま)の話である。昔は『ゲゲゲの鬼太郎』で、よく天ぷらにされて食われていたが、最近はパッとしない。光りながら不可思議な飛び方をするモノは、今どきは何でも「UFO」と呼ばれるので、人魂が飛んでもUFO扱いされているに違いない。

 人魂とは何なのか? 魂が形をなしたものだとすれば、人の死ぬ場所に人魂が飛ぶだろう。私の母は戦中派で、空襲にも遭っている。焼夷弾をかいくぐって逃げると、町中を流れる川は、大火から逃れた人たちの死体で埋まっていた。その次の夜、川からは無数の人魂が湧き出て、どこかに飛び始めたそうである。なるほど、確かにそうしたことはあるのかもしれない。燐(リン)ではないか? といわれていたが、人骨に含まれる燐は発光しない。大槻教授の「人魂=プラズマ」説や、死体から出るメタンガスの燃焼(私の母が見たのはこれだろう)などいろいろな説がある中、発光生物説というユニークなものを見つけた。

 『あぶない科学実験』(彩図社刊)は、いろいろな実験をする本だが、その中で魚屋で買ったイカを使って発光バクテリアを増やすという実験を行っている。イカの表面には発光バクテリアが棲んでいるらしいのだ。
 記事中、研究者の話として<古い記録には肉屋の牛肉が光っていた、新巻鮭を部屋に吊るしておいたら光るようになった、などの例があります>と紹介、さらに<バクテリアが寄生した魚の死骸を夜行性の鳥がくわえて飛べば人魂に見える>としている。すべての人魂がこれで説明つくわけではないが、架空のエネルギーを想定する必要も大量の死体も必要もなく、正体見たり枯れ尾花、怪奇の正体は意外と単純なものかもしれない。
(都市伝説研究家 チャーリー安川)

参考『あぶない科学実験』
http://www.amazon.co.jp/dp/488392730X/

(写真)発光バクテリアは体内のルシフェリンという酵素が酸化される過程で光を出す

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