傍聴していた記者はこう苦笑する。
「法廷に現れた2人はいかにもワルといった風体。A被告はダボッとしたトレーナーに、レンズにうっすら色のついたメガネ。B被告は黒い細身のTシャツの袖から、腕に彫られた刺青が丸見えでした」
2人は犯行前、果物ナイフやマスクまで用意してラブホテルの玄関から侵入。フロントの女性従業員の口を塞いで脅しており、本格的な強盗だ。しかし、その被害金額がなんと…。
「66円だったんです。ちょっと少なすぎですよね。フロントには当時、約60万円のカネがあったにもかかわらず、2人は探しきれず1分後に逃走したというんです」(同)
しかも、ビニール袋に入った66円を奪い逃走したものの全て1円玉。結局、それらは犯行直後にホテル前の路上にばら撒かれてしまっており、実際の被害額は“ゼロ円”だった。
2人は強盗行為について否認。「66円を奪った事実はない」「口を塞いでもいない」「『カネを出せ』とも言っていない」と口々に主張。つまり強盗をしていないというのだ。
「確かに、カネは床にばら撒かれていたため金銭的な被害はないですが、66円でも強盗は強盗。有罪が認定されれば5年以上の懲役刑となります。2人には前科もありますし、今回また罪が認められたら確実に刑務所行き。さすがに66円で懲役刑は割に合わないと思っているのか、必死のようです」(同)
否認のため長期審理が予想される。果たして判決はどうなるか?