「ひと夏越してまともな調教ができるようになった。体質は随分強くなっている」と田代助手もうなずいた。
それだけに期待の大きかったローズSだが、遼馬ブロードストリートの快走の前に、9着と予想外の惨敗だった。しかし出遅れた上に、直線で前が詰まるロスが大きく影響するなど、敗因ははっきりしており、陣営にショックの色はない。
「疲れが残るほど走っていないからダメージもまったくなかった。その後もカイバ食いは安定している」と同助手は巻き返せる態勢であることを強調した。
何より鞍上の岩田騎手は、昨年、11番人気のブラックエンブレムを勝利へ導いている。前走はふがいなかったが、春はGIIフローラS2着、エルフィンSでもレッドディザイアにハナ差の2着と本来相性はいい。
藤原英調教師も鞍上の手腕に期待している。「岩田君はこの馬を伸び伸びと走らせてくれる。レースも彼のセンスに任せるよ。成長度ではジェルミナル、ブロードに劣るけど、素質ならヒケを取らないんだから」
高く評価され続けた潜在能力。爆発へ、もう待ったなしだ。
【最終追いVTR】CWコースを半周してから坂路へ。岩田騎手が手綱を取り、800メートル51秒8→37秒7→12秒0を一杯に追われてマークした。シャドーロールの効果か、終始、落ち着きたっぷり。脚さばきに柔らかみもあり、久々を1度使った効果を十分に感じさせる好ケイコだった。