昨年、その苦労が報われたのは、アキナ。大阪よしもとに所属する秋山賢太と山名文和によるコンビだ。全国知名度はないに等しいが、昨年10月には『キングオブコント2014』の決勝戦に進出。そのわずか2か月後の12月には、『THE MANZAI 2014』でも決勝舞台を踏み、コント・漫才とも腕があることを実証した。
このふたり、12年10月までは、藤本聖を加えたトリオ芸人・ソーセージだった。ところが、藤本が元交際相手に暴行を加えて、傷害容疑で逮捕。自主脱退した。その後、アキナと名を改めてふたりで再スタートを切ると、メジャーコンテストで好実績を残した。ちなみに、藤本もその後、同期のピン芸人・井尻貫太郎と新コンビ・ジュリエッタを組み、同じく再スタートしている。
90年代に沸き起こった“ボキャブラブーム”の終焉後、憂き目に遭いつづけたのは、ピン芸人の松丘慎吾。最近では、女芸人・赤プルのダンナとして、さらに、東京・浅草で経営している「浅草甘栗MJ店」の店長としてのテレビ出演がおもだ。
松丘は悲運の芸人だ。90年代に、同級生の林伸行を誘って、坂道コロコロを結成。のちに、坂道コロンブスに改名したが、直後に林が強制猥褻容疑により逮捕。コンビは解散した。所属事務所も離れたあと、村田渚と鼻エンジンを結成。ネタのクオリティは、業界内外で高く評価されたが、コンビを組んだ翌06年、村田がクモ膜下出血で急逝。悲しみが癒えた08年、ヤマザキモータースとくらげライダーを結成するも、昨年解散。ホリプロコム、ソニー、太田プロなどを渡り歩く結果となった。
昭和芸人の代表といえる、横山やすし・西川きよしも、やすしの度重なる暴力、飲酒、病状悪化、借金、ギャンブルなどが仇となって、事務所を解雇。コンビ解散に追い込まれている。
「チッチキチー」でおなじみの、大木こだま・ひびき。彼らは元、大木こだま・ひかりだった。しかし、ひかりが薬物疑惑、暴力団との関係などが原因となって、解散。80年代初頭、ひびきが相方に変わり、のちに上方漫才師の代表芸人となった。
「女は芸の肥やし」が、通用しない今。今年は、芸人のスキャンダルが噴出しないことを願うばかりだ。(伊藤由華)