米特派員の1人がこう続ける。
「福留は今季4年契約の最終年です。最近5試合はブレーキでしたが(21打数1安打)、それでも3割5分9厘(9日時点/同)の高い数値を残しています。カブスのジム・ヘンドリーGMも『残留交渉』を始めると思いますよ」
カブスはコルヴィンなど若手外野手も頭角を表している。33歳の年齢もそうだが、残留させるとなれば、1350万ドル(約11億円)の高額年俸がネックとなるのは必至だ。
「レギュラー扱いするなどの条件次第では、「年俸ダウンでも残留オファーを受け入れるのではないか?」
そんなふうに予想する米国人メディアも少なくなかった。しかし、不振に終わった昨年のシーズンオフ、福留は“意味シンな発言”もしていた。
「選手は試合に出るのがいちばんだから。日本に戻ることが悪いとは思わない」
これは、昨年12月1日、岐阜県内でのゴルフコンペに参加したときに出たものだ。「2011年の契約満了になってみないと、去就は分からない」とも語っていたが、古巣中日、恩師・星野仙一監督が就任した楽天、ポスト金本を探す阪神などが自身に興味を示しているという報道は眼にしていたはずだ。
「中日には愛着があるようです。中日グループにも帰還に否定的な言い方をする声は聞かれません。ただ、落合監督には『出て行く』と言ってしまったわけですから、福留の方に若干の抵抗感はあるようです」(球界関係者)
福留に興味を示す日本の球団は、「この5月の動向次第では方向転換しなければならない」と見ている。一般論として、メジャー30球団は複数年契約の最終年で、残留してほしいと判断すれば、シーズン途中で“延長契約”を交わしてしまう。福留がカブスと新たに残留契約を交わしてしまえば、別の大砲候補を探さなければいけないからだ。
「(不振だった)昨季の成績のままなら、日本球界への帰還を選択したと思います。今の福留は『カブスが使わないのなら、他のメジャー球団で勝負できる』と思っているのでは…。5月、6月のカブスフロントの動きに注意しないといけませんね」(前出・同)
日本球界には福留の復調を素直に喜べない者もいるようである。
※外国人選手名、及びカブスGMの方仮名表記は『月刊メジャー・リーグ』(ベースボール・マガジン社)を参考にしました。