事案があったのは4日午後1時頃で、喜多方市内の県立高校。1年生14名の体育の授業が行われていたところ、グラウンドの隅に体長1メートルほどの熊が出没した。校庭にいた生徒たちは、当初熊に気がついていなかったが、偶然自動車で通りがかった男性が発見し、クラクションを鳴らし危険を知らせ、生徒たちは校舎に避難した。
生徒と約100メートルの距離にいたという熊は、10分程度グラウンドを闊歩し、森の中へと去ったという。全員校舎に避難したため怪我人などはいなかったが、突如人を襲う可能性のある体長1メートルほどの熊がグラウンドに現れ、歩き回る様子を見た生徒たちの恐怖は、相当なものがあったことだろう。
事案のあった学校は、実習や部活動など外での活動を中止し、集団下校の措置をとった。現在、警察と喜多方市がパトロールしているが、不安は解消されていない。
喜多方市では熊の出没情報が相次いでおり、直近では6月3日に2件、5月28から30日にかけてもそれぞれ1件熊が目撃されている。いずれも主だった被害はなかったとのことだが、人間と変わらぬ大きさで、凶暴化すると人を襲うこともある熊が頻繁に現れることは、人間の安全な日常生活を著しく脅かすだけに、対策が必要であることは間違いない。
熊と遭遇したことがある人はこう話す。
「眼の前に熊が現れるのはかなり怖いですよ。金縛りにあったように動けなくなる。当然死は覚悟しました。幸い何もせず逃げていったのですが。
自分の住んでいる地域は、喜多方市と同じように熊の目撃情報が常にあり、人間生活が脅かされている。猟友会の人たちが活動してくれることで、安心して生活できる。
昨今、動物愛護協会などが、『かわいそう』なんて言いますが、実際に生活を脅かされている自分たちからしてみたら、そういう発言こそ無責任だと感じる。命の危険に晒されているわけですから」
動物の狩猟について難しい問題ではあるが、実際に熊など動物による被害に生活を脅かされ、困っている人がいるということを忘れてはならない。